新型「爆速5ドアスポーツカー」2024年に発売! 650馬力の斬新モデルに驚愕! 「新型IONIQ5 N」サーキットで試した印象は?

「アイオニック5 N」をサーキットで試す! 印象は?

 今回試乗したコースは愛知県蒲郡市の「スパ西浦モーターパーク」で、低速から中速コーナーが設けられ、ストレート区間も持つサーキットです。

 まずは、「ノーマル」モードで先導車の後ろを走行します。

 ノーマルであっても純ガソリンエンジン搭載車のようなサウンドが再生されます。しかもリアルで、しっかり後ろから聞こえるためEVに乗っているというような感覚は少ない印象です。

 加速時は息継ぎがなくスムーズな点はEVであることを感じさせますが、ノーマルのままでもロール量が少なく、ドライバーが意図する方向へと持っていけると感じ、Nブランドの柱である「毎日がスポーツカー」をそのまま表現していました。

ドリフト走行に特化した「アイオニック5 N ドリフトスペック」にも試乗できた
ドリフト走行に特化した「アイオニック5 N ドリフトスペック」にも試乗できた

 次は「スポーツ」モードで走行します。

 スポーツモードではモーターの出力特性だけでなく、電子制御サスペンションの減衰力やステアリングの操舵感覚、電子LSD(リミテッドスリップデフ)の制御まで変更することができます。

 ステアリングやモーターのレスポンスはよりクイックになり、加減速や旋回がさらに鋭敏になった感覚があり、コーナーを攻めてみようと果敢にチャレンジしたくなります。

 コーナーではオーバースピードで進入するとクルマ全体が横を向くような動きも見せ、さらにスピードを増せば、四輪駆動車に特徴的な「ノーカウンタードリフト」も可能そうだと感じます。

 減速は回生ブレーキに加えて自然な減速が可能な油圧式を採用しているため、これまでの内燃機関車と変わらず、違和感のないフィーリングです。

 さらに機械式トランスミッションを擬似的に再現する「N eシフト」を使用してシフトダウン・アップを試してみます。

 シフトダウン時はエンジンブレーキのような自然な強い回生ブレーキが効くとともにショックも再現されており、思わず(サウンドを反映したバーチャルの)タコメーターを確認しながらシフトダウンをしてしまう場面もありました。

 さらに、エンジン搭載車でないのにも関わらずレブリミットに当たるような制御も採用され、燃料カットが入ったような「ブブブ」といった振動まで再現されるため、もはやEVであることは完全に忘れさせてくれます。

 また、ステアリング右側にある赤い「NGB(N Grin Boost)」ボタンを押すと、10秒間ブーストがかけられることで背中に強く押し付けられるようなGを体感でき、胸をすくような加速が可能です。

 このような遊び心のある機能を追加できるのもEVならではともいえます。

 こうした電子制御によりタイムを競うようなスポーティで楽しい走りができる一方で、数週程度であればバッテリー温度の上昇は4度程度にすぎず、ほとんど通常走行と同じレベルを保っていました。

 EVではバッテリーやパワートレインの冷却が重要で、熱を受けると本来の性能を発揮できなくなることに加え、バッテリーの寿命にも影響をおよぼすと言われていますが、冷却はとくに重要視しているようで、スポーティ走行を念頭に開発したといいます。

 最後に「ECO」モードを試してみます。

 するとICEサウンドはオフになり、アクセルレスポンスも緩慢になり、まるで別のクルマに乗ったかのような静かな環境へと変化します。

 常にスポーツモードで飛ばすのではなく、市街地でおだやかに乗るのであれば、EVの特徴である高い静粛性を活かして同乗者を目的地に送り届けるといった使い方も可能でしょう。

 またリアシートは、後席シートヒーターやリアウインドウのサンシェード、Bピラーに装備された後席用のエアコンダクトなど、十分な快適性も持っていることが特徴で、シートのホールド性もよく身体が大きくずれるようなこともありませんでした。

※ ※ ※

 アイオニック5 Nは、「EVはつまらない」という固定観念を覆させてくれるスポーツカーだという感想を覚えます。

 日本車や欧州車を乗り継いできたパク氏が、自分自身が乗りたいクルマを作ったということから、まさにクルマ好きのためのEVスポーツカーといえそうです。

 2024年に登場すると予定されており、多くのスポーツカーファンの希望の存在となりそうです。

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