まるで「ケンメリ」な「新型」初公開! 丸目4灯の70年代テイストに「ダッジ」意見も? 各世代が”グッときた”ミツオカ「M55」に現役デザイナーはどう思う?
世代によって「思い出すクルマ」が異なる!?
そこでM55コンセプトのデザインについて、現役のカーデザイナーA氏に意見をうかがいました。
とある国産メーカーで長年デザイナーを務める人物です。
「いろいろ意見があると思いますが、私は『これはこれでアリ』です。
ミツオカはちょっとした工夫で、ベース車とは全く異なる価値を産み出しているのが素晴らしいと思います。
私も、こういうパズルのようなちょっとした工夫は大好きなので共感できます。
プロのデザイナー目線で見ると、着想は面白いと感じる一方で、ボリュームやラインのコントロールにやや物足りなさも見受けられますが、このクルマの場合は細かいことを気にさせない勢いがありますね。
個人的には、ミツオカのレトロ風モデルと、完成車メーカーが時折登場させる『ニュービートル』や『ミニ』などのヘリテージデザインとは、やや趣きが異なると思っています。
前者は、できるだけ昔の見た目を復刻しようとしているのに対し、後者は、過去のモチーフやテーマを現代に置き換え解釈し直しているのが興味深いです」
前述のようにM55コンセプトはいろいろなクルマを思わせるのですが、それに関する興味深い話もデザイナーA氏から聞くことができました。
「40代のスタッフにM55について聞いたところ、彼もやはりチャレンジャーだと思ったそうです。
僕がケンメリだと言ったら『なるほど……』と、合点が行ったのか行かなかったのか、微妙な顔をしていました。
たしかに、世代によってケンメリやハコスカを特別に感じるか感じないかというギャップがあり、その感覚によって、何を想像するかに違いが出るのではないか、と思いました」
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さまざまな意見が飛び交うのは、それだけM55コンセプトが話題を集める注目のクルマだという証といえます。
あえて希望をいうならば、このフロントとリアビューを持った4ドアセダンもぜひ見てみたいところ。
その際には、SNSに「“ケンメリ”スカイラインGTの復活だ!」という声があふれるに違いありません。
光岡によればM55コンセプトの市販化予定はないとのことですが、反響によっては発売される可能性が生まれるかもしれません。
今後の動きに期待したいと思います。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
なんで大手は昔のヒット作に似せようとして似てない車を作るのだろう?
今の安全性新機能を盛り込んだリメイク版を出せばいいのに。