自分で「タイヤ交換」ホイールナットの締めすぎNG! タイヤが外れる原因に!? 正しい締め付け方とは?
本格的な冬が到来する前に、スタッドレスタイヤに交換する必要があります。自分で作業するときに、ホイールナットを力任せに締め付けている人がいるかもしれませんが、実はそれはNG行為です。
ホイールのナットは締めすぎてはいけない!
路面凍結や積雪路を走行するときは、「スタッドレスタイヤ」の装着が必要です。
タイヤ交換は簡単にできる作業なので、自分でおこなう人も多いかと思いますが、安易に考えて作業すると、ボルトが折れたりタイヤが脱輪する可能性もあります。
タイヤは、クルマと地面が接している唯一のパーツです。エンジンからのパワーが各駆動シャフトを通じてドライブシャフトへ伝わり、ハブを回転させます。
このハブに固定されているのがホイールなのですが、ホイールはハブから出たハブボルトにナットで固定されているだけ。正しく装着されていないと外れてしまう危険性があり、そのため締め付け装着時には「適正トルク」という数値が存在します。
軽自動車は80Nm~100Nm、普通車は90Nm~120Nmが一般的ですが、実際に作業するときは取扱説明書などで確認しておきましょう。
タイヤ交換時は適正トルクを守ることが大切です。もし守らなかった場合、どのような事態に陥るのでしょうか。
まず挙げられるのは、「ハブボルトが折れる」ということです。
適正トルク以上の力で締め付けするとハブボルトが引っ張られて伸びてしまい、その結果、ボルトが折れるという整備事故につながります。
もうひとつは「ボルトやナットのネジ山の損傷」です。
ホイール側のナットとハブボルトが噛み合うことで適正トルクが保てるのですが、ネジ山が損傷すると滑ってしまい、適正トルクでの締め付けができなくなります。
そしてホイール本体とナットテーパー面の当たり荷重も高くなり、ホイールが傷ついたり変形する恐れもあるのです。
そのため、自分でタイヤ交換作業をするときは、体重をかけたり力任せに締め上げるのではなく、適正トルクで締めることが大切なのです。
では、正しいタイヤ交換の方法とはどのようなものなのでしょうか。作業工程ごとにポイントをみていきます。
●停車位置・環境確認
コンクリートやアスファルトといった硬い場所であり、クルマが水平に停車できる勾配のないところで作業しましょう。また、クルマが滑らないよう輪留めも使用して下さい。
●ナット緩め・ジャッキアップ
まずはタイヤが地面に設置している状態で、交換するタイヤの対角にあるタイヤに輪留めをかけたら、ナットを緩めます。
その時にナットをすべて緩めてしまうとタイヤが外れる危険があるので、軽く緩めます。そして、その後、ジャッキアップポイントにジャッキをかけて車体を上げます。
ジャッキで上げるときに、ジャッキ本体が前に進む構造もあります。本体が前に進んでも、本体と地面にすき間や段差がないか目視で確認しましょう。
また、ジャッキアップ中に緩みが生じることもあり、「ウマ」と呼ばれるクルマの重さを支えられる部品をセットすると安心です。
●ナットを完全に緩めてホイールを外す
この工程ではホイールを完全に取り外します。その時に余裕があれば、ハブボルトの溝部分もかるく清掃することをおすすめします。
ゴミや石などが溝にある状態でナットを締めるとネジ山を傷つける要因になり、結果的にハブボルトの寿命が短くなってしまいます。
●入れ替えホイール装着・ボルト仮締め
入れ替える予定のホイールをハブボルトに差し込み、すべてのナットを手で締めます。
この時、工具で締めても問題はありませんが、適正トルクをオーバーしないこととナットが斜めの状態で工具を使って無理やり締めないことに注意して下さい。
ナットが斜めの状態で締めるとネジ山の破損につながります。
●ジャッキダウン・本締め
ジャッキを少し上げてウマを外し、今度はジャッキをゆっくり下げて車体を地面に完全着地させます。油圧ジャッキは、油圧をゆっくり抜くことを意識して下げましょう。
タイヤが完全に着地したら、トルクレンチを使用して適正トルクで締めます。
本締めをするときは「対角線上」を意識して、一気に締めるのではなく、数回に分けてナットを締めます。
右回りや左回りで締めるとホイールの一方向に力が加わった状態になり、ハブボルトとホイールが上手く密着できない原因になることから、右上→左下のように、対角のナットを締めていくことを心がけましょう。
※ ※ ※
タイヤ交換の作業自体は手順を覚えれば難しいものではありませんが、1t以上あるクルマを上げるジャッキアップは非常に危険な作業です。
不安な人は無理に自分で作業せず、プロにタイヤ交換を依頼したほうが良いでしょう。
何でもかんでも「目一杯」にしないと気が済まない人種ってのが存在する。
ネジ・ボルトは目一杯が彼らの規定トルク、バッテリー液も溢れるくらい入れないと気が済まない。
それにより弊害が発生しても、自分は悪くない、壊れる機械が悪いと言う。
手に負えない。
工学系の人なら基礎知識として解って居る事が、一般には誤・理解されて居たり無・理解であったりする事が結構ある。当該ネジ締めなんかがいい例だが、ボルト類は消耗品で有り、緩むものだ。大体そう言うと「何言ってんだお前、ハブボルトは延々使い続けられる部品だし、ネジはきっちり締めるモンだろ。ちゃんと締まって居れば緩まないんだ。」と反論される。確かに”丁寧に”扱えば一生モノだし(限度は有るよね)、いきなりネジが全部すっ飛ぶなんてことはそうは無い(無い事も無いが…)。だが、タイヤ(ホイール)を外せばすぐに分解できる様に成って居たり、容易に部品交換出来る様になっていたりするのは何故なんでしょうね?それにナジミと言うヤツは組物にはよくある現象だ。だからゆるみ点検は重要だし、定期的な増し締めが必須なのだ。(ちゃんと組付してキッチリネジを締めたはずなのに、増締め出来るのは何故なんでしょうね?!)そもそも、ボルトはその材質の弾性域内で使うことが前提だから(全てがそうではない)、締め過ぎると必要以上に伸びちゃうし、伸びたらそのボルトはもう再使用できないと言う事の理解が必要だ(適正トルクが弾性域範囲と言う事を知っておくべきだ(全てがそうではない))。プロでさえカンで適正トルクで締めるのは難しいのに、素人(と言うと怒られるので”経験者”と小生は呼んで居る)がうまい事出来るはずがない。ちゃんと締まったかどうかは、外観からは判断が難しいので、だからこそトルクレンチでチマチマやるしか無いのだ。カンジニアは当たり前のように端からガチガチに締め、事前の緩み防止に注力する。トルク締めも重要だが、均一に締まって居るかにも注意すべきだ。一端だけをトルク締めしてしまうと、反対側を締めた際には最初の締め部位が、結果的に締め過ぎに成ってしまうことが良くある。だから、対角に徐々に締めろと指示されるのだが、彼らはぐるりと順次締めてしまう。さらにそこにダメ押しの増し締め。締め過ぎにもなる訳だ。その部位のボルトが締め過ぎで弾性域を超えてしまえば、その先は恐怖のゾーンに突入する。そこにお約束の現象であるナジミが加わればもうナットが緩むか、あるいはガタガタに成ってボルトが破断するしかないではないか。幸運にもナットの緩みが発見されれば良し。なぜ緩んだか理解して居ないままさらに適正トルク外で増し締めしてしまえば….?!今一度、自身の作業を振り返り、タイヤ組付けについて再考頂ければと思う。(まぁ、自分は正しいんだと理解して、作業を振り返らない人がヤラカシてしまうんだと思うので、何言っても自己理論でやっちゃう人がそもそも問題なのだが…)