もはや“走る家”!? アウトドアブームで「トレーラーハウス」に熱視線!「キャンピングカー」と何が違う?
日本でトレーラーハウス所有は難しい?
そんなトレーラーハウスですが、道幅が広いアメリカなど海外とは違い、日本で所有するはなかなかハードルが高そうです。
キャンピングカーの整備もこなし、自身も車中泊をおこなうというS整備士に話を聞いてみました。
「日本ではキャンピングトレーラーは(すべてではないものの)道路運送車両の保安基準でサイズや重量などの上限が定められていますが、今まで日本の道路事情に適さない大き過ぎるトレーラーハウスの場合は判別が難しいグレーゾーンでした。
一方で保安基準(第2条)では、車長12,000mm未満×車幅2,500mm未満×車高3,800mm未満までは『被けん引自動車(自動車によってけん引されることを前提として専用の構造を持つクルマ)』扱いとなり、車検の取得も義務付けられています」
ちなみに、保安基準(第2条)より大きいサイズはグレーゾーンとのことでしたが、「日本トレーラーハウス協会」などの団体からの政府への働きかけにより、運輸局に基準緩和を申請し認定されれば2か月間は移動(通行)できるようになったという話もあります。
「法的にはスペースさえあれば全国どこでも設置自体は可能なはずですが、実際はそれだけでは済まないみたいです。
というのも被けん引自動車には『随時かつ任意に移動できること』という規約があるので、設置場所までの道がトレーラーハウスのサイズより狭い所には設置できない可能性もあるのです」(S整備士)
トレーラーハウスは移動可能な「被けん引自動車」として扱うのが一般的ですが、定置にて長期間停車したままにすると、今度は建築基準法の定める「車両を利用した工作物(の建物)」という扱いになるといいます。
そして各自治体の建築主事(建築確認申請を審査する担当者)の扱いとなり、そのあたりの判断が難しいので、一定期間に移動しなくても多くの自治体がトレーラーハウスを「車両」扱いとして処理しているのが現状のようです。
また、電気やガス、水道といったライフラインの配線や配管が、トレーラーハウスが車両なのか建造物なのかを判断する基準のひとつとなっているのですが、「工具を要さずに取り外すことが可能」というのが車両の条件でもあるため、あえて接続しやすい配線や配管などを取り付けて車両としての扱いにするという方法もあるのだそうです。
憧れのトレーラーハウスですが、気になるのがその価格です。
オフィスや営業所のようなシンプルな作りであれば500万円前後ですが、壁材や床材などの素材にこだわったり、キッチンやトイレなどの設備も充実させると、1000万円前後にもなります。
キャンピングカーと同じく結構なお値段がするようですが、「宝くじでも当たらないと無理」と諦める必要はありません。実は今、全国各地のキャンプ施設でトレーラーハウスを宿泊施設として設置するところが増えているのです。
外壁がスチール製など丈夫なので、悪天候に対して高い耐候性を誇っているのも設置が増えている理由のひとつですが、「グランピング」の1種として人気になっているとのこと。
そういった施設の場合、トイレやシャワールーム、冷暖房などもしっかり設置されているため、コテージ感覚で泊まれるというのがポイントです。
トイレやシャワーが共有ではないのがプライバシーの観点からもうれしく、宿泊先としてトレーラーハウスを選ぶ価値はありそうですし、なにより非日常感を味わうことができるでしょう。
購入するのは難しいとしても、レジャーの宿泊施設にトレーラーハウスを選んでみるのも良さそうです。
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