「SUBARU BRZ」の戦いに注目!? ライバル「GR86」不在でも進化は続く! 最終戦に繋げる岡山はどうだった?
ライバル28号不在の岡山… 61号車はどんな戦いを見せたのか?
61号車はST-3、ST-4、ST-5クラスが走るGr.2(全27台)で戦います。
土曜日の予選は直前まで雨が降っていたため、予選はウエット~ドライと時々刻々と路面が変わる難しいコンディションの中で行なわれました。
予選タイムは3分37秒676(A:廣田光一選手1分54秒932、B:山内英輝選手1分42秒744)とST-4クラスのGR86の上位勢に近いタイム。
ただ、55号車は3分31秒750、12号車(MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF
Concept)は3分33秒110とBRZ CNFコンセプトを上回るタイムを記録するなど、マツダ勢の進化に速さも侮れません。
日曜日は前日とはうって変わって青天。Gr.2の決勝スタート進行は7時55分からですが、グリッドには早朝にも関わらず多くの人が集まりました。
その中にはGR86 CNF コンセプトのAドライバーである加藤恵三選手の姿も。話を聞くと「先輩(86号車の矢吹久選手)の応援に来ました」と語るも、その足は61号車のほうに。やはりライバルが気になって仕方ないようです。
8時半にフォーメンションラップが開始され3時間のレースがスタート。スタートドライバーの井口卓人選手は12号車を捉え、55号車に迫りながらもペースを守り快走を続け、廣田選手にバトンタッチ。
廣田選手も順調に走行を重ね、レース残り40分で山内選手に交代の予定でしたが、チームは伊藤和広選手に変更。
予定外のドライバー交代にも関わらず伊藤選手は良い走りを見せ、そのままGr.2 総合6位(ST-Qクラス2位)でゴール。ちなみにST-Qクラス1位はスタートから安定した走りを見せた55号車でした。
伊藤選手はゴール後に「今回は応援に回るつもりだったので突然のドライバー指名に緊張しましたが、自分ができるベストは出せたかなと。マシンはパッと乗っても落ち着いて走れるマシンに仕上がっていることを確認できました」と語ってくれました。
いつもとは異なる戦い、本井監督はどのような総括をするのでしょうか。
「やはりマツダは速かったですね。ただ、レースウィーク全体としては悪くなかったと思います。
パワートレイン関係は課題があったものの、シャシを含めたセットアップは狙い通りでした。ただ、ミッションに指摘(入りが渋い)があったので、検証をして改善を行ないます。
今回はレースの流れから最終ドライバーを山内さんから伊藤に変更しました。練習・経験を積んでもらうと同時に、ジェントルマン同士の差がどうかの検証もできました。
それを踏まえて、最終戦はガチで行きたいと思います」
一方、今回このレースを俯瞰してチェックしていた藤原氏はどのような感想だったのでしょうか。
「いつもと違う環境でしたが、色々と学ばせてもらいタスクリストが作成できました。
61号車は最初『三味線引いている?』と思っていましたが、エンジニアに聞くと本当に苦戦していたと。
ただ、新たなトライもしているので、彼らのポテンシャルはもっと高いはず。我々も負けていられません」
※ ※ ※
次回は2023年11月11日・12日に富士スピードウェイで開催される第7戦「S耐ファイナル 富士4時間レース with フジニックフェス」。
これまで6戦を終えてBRZ CNFコンセプトが3勝、GR86 CNFコンセプトが3勝、次で2年目の“ガチンコ対決”の勝敗が決まります。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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