トヨタ新型「ハイラックス」実車公開 約10年ぶりの全面刷新! タイと日本で違いは? 開発者に聞いた
トヨタは新型「ハイラックス」を5月28日に発売しています。その後、6月7日に体験型イベント「HILUX DAY 2026」が開催。展示や走行体験の様子とともに、開発を取りまとめた大矢チーフエンジニアの解説をもとに、約10年ぶりとなる刷新の背景や開発の裏側をお伝えします。
新型ハイラックス発売!開発者が語る進化の裏側とファン集うイベントレポ
2026年5月28日、トヨタのピックアップトラック「ハイラックス」がフルモデルチェンジして発売されました。
また、6月7日には愛知県のさなげアドベンチャーフィールドにて実車を体感できる「HILUX DAY 2026」が開催されています。
今回は当日のイベントの様子を振り返るとともに、開発責任者の解説から新型モデルの進化のポイントに迫ります。

「HILUX DAY 2026」は、ハイラックスのオーナーや同車に関心を持つ層に向けた体験型のイベントです。
実車に直接触れることで、乗車への意欲やオーナーとしての利便性を体感してもらうことを目的としています。
会場では新型モデルの展示やレンタル走行、現行モデルによるトライアルコースの遊覧が実施されたほか、BEVモデルでの給電デモや持ち込み走行なども行われました。
主役となるハイラックスは1968年の初代モデル登場から、世界190以上の国と地域で販売されてきたピックアップトラックです。
人々の暮らしや仕事を支える車両として、多くのユーザーに利用されてきました。その強みは高いQDR(品質・耐久・信頼性)にあり、アウトドアのレジャーユースから業務用途まで幅広い場面で活躍します 。日本市場においても、多様化するライフスタイルに寄り添うクルマとして展開されています。
フルモデルチェンジを受けた新型ハイラックスは、力強さと先進性を備えたデザインへと生まれ変わりました。
「Cyber SUMO」をキーワードとし、力士の立ち合いから着想を得た安定感のあるフロントビューを採用。グレードはベースとなる「Z」と、タフさを強調した「Z”Adventure”」の2種類です。
パワートレーンには2.8Lの直噴クリーンディーゼルエンジン(1GD-FTV)を採用し、6速オートマチックトランスミッションと組み合わせることで低燃費と加速性能を両立させました。
機能面ではマルチテレインセレクトや電動パワーステアリングを標準装備し、安全性についても交差点での横断歩行者検知などが可能なシステムを備えています。
また、テールゲートの開口地上高を845mmに設定し、積み下ろしを補助するデッキステップを設けることで、荷台の使い勝手も向上しました。

今回、新型ハイラックスのチーフエンジニアを務めた大矢賢樹氏に新型ハイラックスの詳細を伺いました。
大矢氏によると、先代モデルから約10年が経過している背景もあり、「先進装備も含めてしっかりと追いついてきた」と語ります。
プラットフォームについては「基本的には今までのフレームを踏襲している」としつつも、電動パワーステアリングの搭載などに合わせて一部に改良を加えているとのことです。
エンジンを2.8Lに変更した理由には「日本の使われ方を考えた時、もうちょっとトルクフルな使われ方、特に高速とかでもやっぱり追い越しとかでもちょっとトルクあった方が運転しやすかったりする」という国内の交通事情への配慮が含まれています。
乗り心地の改善も開発のテーマでした。大矢氏は「空積載の時に、乗り心地、やっぱりちょっとやっぱり荷物を載せた状態での乗り心地チューニングになっていたところを、空にでも普通に運転して乗り心地を良く感じていただけるような今サスペンションのチューニングしました」と述べ、日常使いにおける快適性を高めたことを解説しています。
タイ仕様は現地の道路環境に合わせて柔らかめの設定ですが、日本向けは全体のバランスを取ったチューニングが施されているようです。
デザインに関しては「ピックアップトラックをよく知っている人間がデザインをしてくれた」と明かし、オーストラリアのメンバーが担当したことで、特有の踏ん張り感や強さが表現されたとしています。
また、「Z”Adventure”」に設定されているスポーツバーなどの外装パーツについては「このパッケージって日本だけなんですよ」と語り、国内向けの特別な仕様として生産ラインを整えたことを説明しました。
機能の進化を進める一方で、大矢氏は「QDRをしっかりハイラックスとして守る。ここは絶対譲れない」と断言し、「お客様の生活に寄り添っていく」という開発の理念を明示しています。

※ ※ ※
新型ハイラックスは、ピックアップトラック需要の多いオーストラリアのチームがデザインを担当し、タイの2つの工場で生産されるなど、グローバルな知見を結集して開発された世界戦略車です。
一方で、日本仕様は海外仕様をそのまま導入するのではなく、バンポー工場で専用にしっかりと組み立てているほか、日本の交通事情における追い越しなどを想定した2.8Lエンジンの採用や、空積載での日常走行を快適にするサスペンションの見直しなど、道路環境に合わせた最適化が図られています。
さらに、「Z”Adventure”」に設定された専用外装パーツを日本市場限定のパッケージとして用意するなど、国内ユーザーの嗜好に対する配慮も組み込まれました。
世界基準の堅牢性と日本向けの扱いやすさを兼ね備えたモデルとして、ハイラックスは今後も独自のポジションを築いていくことが期待されます。
Writer: くるまのニュース編集部
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