ひっ迫する“119番通報” なかには「タクシーがつかまりません。救急車をお願いします」信じられない通報内容も 東京消防庁が語る“深刻な現状”とは
最近では119番通報のひっ迫した状況が続いているといいます。今回は、その深刻な現状について、東京消防庁へ話を聞いてみました。
ひっ迫する「119番通報」の現状とは
緊急時に消防や救急へ助けを求める際、欠かせないのが「119番通報」です。
幼い頃に“緊急時の電話番号”として覚えたという人も多いこの番号ですが、実は最近、119番通報がひっ迫状況にあるといいます。一体どういうことなのでしょうか。
そもそも119番通報とはどういう仕組みなのでしょうか。
緊急事態が発生した際に119番通報を行うと、消防署に出動司令などを行う災害緊急情報センターへ電話がつながります。
例えば東京都内(稲城市、島しょ地区を除く)では、23区内は千代田区大手町、多摩地区は立川市にある災害救急情報センターにつながります。
その後、消防署に出動命令が入り、隊員が現場へ駆けつけるという流れです。
このように、119番通報は火災や意識を失った人がいるなど、緊急時に助けを呼ぶために利用するものです。
そんななか、最近ではこの119番通報が相次いでいるといい、東京消防庁の公式X(旧:ツイッター)では以下のような呼びかけを行っています。
「【119番通報が大変混みあっています】
119番は緊急通報です。
問合せや相談などを119番通報すると本当に必要な緊急通報に対応できなくなる恐れがあります。
不要不急の電話については最後までお話を聞かずに切断する場合があります。
他の緊急通報を優先するための措置ですので、ご理解をお願いします」
こうした119番通報に関する投稿は定期的に行われており、2023年9月11日の投稿には1万件を超えるほどのいいねが集まるなどの反響を呼んでいます。
ではなぜ119番通報がひっ迫するのでしょうか。上記のような呼びかけを行っている経緯について、東京消防庁の担当者は以下のように話します。
「現在、救急需要の増加に伴い119番通報がひっ迫しており、対応するまでに時間がかかっている状況です。
この状況に対応するため、119番通報のうち2割を占める不要不急の電話については、ほかの緊急通報を優先するため、最後まで話を聞かずに切断する場合がありますと広報しています」
では実際に119番通報はどれほどの件数があるのでしょうか。
「2022年中の119番通報は103万6645件で、今の統計方式に変わってから過去最高を記録しました。1日あたり約2840件、約30秒に1件入電している計算になります。
2023年に関しては、速報値で昨年同時期と比較して、5万3000件も増加しています」(東京消防庁の担当者)
数値だけを見ても119番通報がひっ迫している様子が伝わります。
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