なぜ日産に「コンパクトミニバン」存在しない? 超“売れ筋”ジャンルだけど“マツダ”も不在!? 今後登場する可能性はあるのか
なぜ日産には現在”コンパクトミニバン”がラインナップされないのか
日産の歴史を振り返れば、日産こそコンパクトミニバンを出していそうなメーカーです。
つい最近、コロナ初期の2020年まで販売していた日産の「キューブ」は、コンパクトカー&背高な箱型ボディというブームの流行に一役買ったモデルです。
コンパクトカーをベースに背の高い箱型のボディを乗せるというアイデアは、1996年にデビューしたマツダの「デミオ」が先駆的な存在です。ただし、そのデミオのヒットにレスポンスよく反応したのが日産です。
1998年には「マーチ」をベースに、箱型ボディを乗せたキューブを世に送り出して、スマッシュヒットを達成します。
そのヒットに負けじと、ホンダは1998年に「キャパ」を、トヨタも1999年に「ファンカーゴ」をリリース。2001年にはホンダもさらに3列シート車「モビリオ」を投入。小さなクルマで室内の広いクルマは、人気ジャンルに成長しました。
その厳しい競争の中、キューブは善戦し、派生モデルとなる3列シートも備えたコンパクトミニバン「キューブキュービック」もラインナップ。2列シート車のキューブはその後も、2020年まで長く生き残ることに成功していたのです。
ところが2000年代に入り日産は、カルロス・ゴーン体制下に移行します。
大胆なリストラ策などの成果もあって会社の業績は上向きますが、日本市場への新型車投入は激減。2020年に新型コンパクトSUV「キックス」が日本に投入されたときは、「10年ぶりのブランニューモデル」と話題になるほどです。
大幅な成長と市場拡大が見込める海外市場を重視するあまり、母国である日本市場への対応が後回しになっていたことは否めません。
そのため、キューブが育てた国内コンパクト&箱型のジャンルが、徐々にスライドドアを持つコンパクトミニバンへ変質していった市場動向の変化に対応できなかったのでしょう。
その結果が、今のような日産のコンパクトミニバン不在という残念な結果になったわけです。
といっても、今からでも遅くはありません。コンパクトミニバンのジャンルへ日産が参戦すれば、しっかりとした数字を獲得するのは難しくないはず。
そういう意味で、2023年10月開催のジャパンモビリティショー(旧:東京モーターショー)や、年明け開催の東京オートサロンで、コンセプトカーが出てくることを期待したいと思います。
かつてキューブで国内市場を席巻した日産が本気を出せば、それくらいは簡単なのではないでしょうか。
日産はミニバンの先駆者です。どこよりも真っ先にスライドドア、3列シートの小型ミニバンを販売していました。1500cc,1800ccで、7人と8人乗りで4160mm、自転車も立てたまま2台乗せることができました。その後、三菱がシャリオを販売しました。この初代日産プレーリーはちょうど1トンという軽量で燃費もよく、きびきび走りました。キャンプに最高で、日産の数少ない名車です。