世界最小級の希少国産スポーツカーが「海外流出」!? 新車超えの400万円弱で落札! ガルウィング+ミッドシップの激レアマシン「AZ-1」とは
1992年に製造されたマツダの軽ミッドシップスポーツカー「オートザム AZ-1」が、日本を離れ海外のオークションに登場しています。
ミッドシップ+ガルウィング! 今や貴重な軽スポーツカーが海外に流出!?
Cars and Bidsは、自社が運営する同名のオークションサイトでクルマを競売にかけるオークショニア。主にアメリカやカナダの車両を取り扱っています。
今回その海外オークションに日本から登場したのは、マツダが国内向けに生産していた軽スポーツカーのオートザム「AZ-1」でした。
オートザム AZ-1は1992年から製造を開始したマツダの2人乗り軽スポーツカーです。
その最大の特徴といえば、まるでスーパーカーのような「ガルウイングドア」を採用していることでしょう。
さらにボディはシャープなウェッジシェイプなうえ、地をはうような低さで、非常に凝ったスポーツカーらしいスタイルといえます。
ただし大柄なアメリカ人にとってはちょっとキャビンが狭いうえ、サイドシルの高い特殊なドア構造のため乗降性も厳しいかもしれません。
パワーユニットは、660ccのスズキ製ターボチャージャー付き3気筒エンジンと5速マニュアルトランスミッションの組み合わせ。
最高出力は64馬力で、リアミッドシップレイアウトを採用しているのも特筆されます。
低重心なレイアウトや軽量なボディと相まって、まるでレーシングカートを思わせる俊敏な回答性がもたらすシャープなハンドリングで、他で得られない個性の強いものでした。
エンジンなどを供給してもらう関係もあり、スズキ版のOEMモデル「キャラ」も同時期に販売されていました。
出展車両の装備品としては、14インチのRAYSホイールやMOMO社製ステアリングホイール、それにRAZOペダル、カロッツェリアCDプレーヤーなどを装備。
その他、ブローオフバルブやエキゾーストシステムなどのパーツを追加しているようです。
さらにマツダスピード製のエアロパーツを装備し、通常は2トーンカラーのところ、赤単色の仕上げとなっているのもこの出展車両の特徴です。
本オークションに登場した車両は2022年2月に輸出された個体で、右ハンドルを維持しています。
走行距離計の表示は約12万5700キロと年式相応なものです。
外装の一部やドアミラーキャップなどに小傷や汚れなどはあるものの、全体的には非常にキレイな状態を保っています。
出品地域はニュージャージー州リンドハースト。オークションサイトでは186枚の画像が掲載されています。
オークションでは合計33件の入札があり、最終的には2万6500ドル(約387万円)で落札されました。
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1990年代初期、「ABCトリオ」と呼ばれる3台の軽スポーツカーが発表されました。「B」がホンダ「ビート」、「C」はスズキ「カプチーノ」。そして「A」に当たるのがマツダの生産したオートザムAZ-1でした。
新車当時の価格は149万8000円(税別)。
前述したガルウイングドアの採用や、ステアリングのロック・トゥ・ロック(左右にステアリングを回した際の最大回転数)がわずか2.2回転なこと、それに車体重約700キロといった軽量さなど、現在の軽自動車では見られない非常に強い個性を持った1台です。
まさしく平成バブル期を彩ったクルマといえ、こうした貴重なクルマのうちの1台が、新車価格をはるかに超える取り引き価格で、今回海外へ流出したことになります。
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