トヨタの斬新モデル!? 「前後スライドドア」に”超高級”仕様も!? “超便利”バン「LCVコンセプト」とは
“高級”仕様や福祉仕様も用意?
「BUSINESS LOUNGE(ビジネスラウンジ)」はビジネスパーソン向けハイヤー(送迎車)のコンセプトモデルです。
商用バンのハイエースといってもただ荷物を運ぶだけではなく、以前は、バンをベースに高級ワゴンに仕立て、高級車のような存在感が与えられていたことも。その流れが現在の高級ミニバン、トヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」や、前述の「グランエース」につながっています。
そしてこれらは、かつての「黒塗りの高級セダン」に代わり、ビジネスパーソンや要人、タレントなどが移動に使うハイヤーに用いられるようになりました。
「BUSINESS LOUNGE」は、まさにその送迎用ハイヤーをイメージ。ハイルーフ構造の採用で頭上空間はたっぷり取られています。
車内には、コンフォータブルモードを備えたシートをわずか2脚のみ設置。本来助手席がある位置には、スーツケースや着替えなど必要なアイテムを取り出せるサイドアクセスラゲージが設けられています。モニターを介して行う会議のための大型ディスプレイ、プライバシーを守る瞬間調光ウィンドウ、スライドテーブルなども装備された空間は、まるで移動オフィスのような雰囲気です。
残る「ATHLETIC TOURER(アスリートツアラー)」は、「車いすアスリート向け車両」。床下格納が可能なワイドスロープと車高ダウン機能でスロープの角度を緩やかにすることができるため、車いすに乗ったままでも楽に乗降が可能な設計となっています。
また、車いすから運転席へのスムーズな移乗をアシストするため、ステアリングが前後に可動するステアリングテレスコピック、およびシートが上下に可動するシートクッションリフターを装備しています。競技用車いすも分解せずに室内にそのまま搭載が可能です。
「LCV CONCEPT」が次期型ハイエースのプロポーサルなのかどうか、現段階ではわかりません。
しかしこのコンセプトカーは、来たる未来として「小口輸送の拡大」「モニターを介した車内会議」を予測していました。現に、ネット通販の急拡大による輸送量の増大、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うウェブ会議の普及などは、当たり前の事象となりました。
クルマそのものだけでなく未来の社会も予測することがある、と教えてくれたコンセプトカーといえるかもしれません。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
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