「変動料金制」は効果あり!? 週末“渋滞頻発”の東京湾アクアラインで実験1か月「値上げ」でどれだけ減った?

東京湾アクアラインの上り線で、曜日や時間帯によって料金を変える社会実験が実施されていますが、1か月経過後の交通量の変化などが発表されました。

「高い時間帯」は交通量が減少

 国土交通省と千葉県、NEXCO東日本は2023年9月7日、東京湾アクアラインで実施しているETC時間帯別料金の、導入1か月後の効果を発表しました。

上り線(川崎方面)が渋滞する東京湾アクアライン(画像:NEXCO東日本)
上り線(川崎方面)が渋滞する東京湾アクアライン(画像:NEXCO東日本)

 東京湾アクアラインは、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ延長約15kmの有料道路です。

 通行台数は、ETC車の通行料金を800円(普通車)に割り引きしている2009年から増え続けており、2009年の2万9302台(1日あたり)から10年後の2019年は4万8422台に。その後、新型コロナの影響でいったん減ったものの勢いは戻り、2022年には過去最高の5万1760台を記録しています。

 そして、この交通量の増加にあわせて目立ってきているのが渋滞です。

 東京湾アクアラインでは、混雑緩和と交通量の平準化を目的として、7月22日から土休日の上り(川崎方面)で、通行料金を時間帯ごとに変える社会実験が行われています。

 普通車の場合、0~13時は現行と同じ800円ですが、混雑する13~20時は1200円に引き上げる一方、比較的すいている20~24時は600円に引き下げます。

 国交省などによると、この実験の結果、料金を上げた13~20時の交通量は土曜に6%、日曜に3%減少。一方で料金据え置きの0~13時は土曜に10%、日曜に13%増加し、安くした20~24時も土曜に14%増えたといいます。なお、20~24時の日曜は実験の前後で変化が見られませんでした。

 また、時間別に見ると、19時台が大幅に減った一方で20時台が大幅に増えています。このことから、料金の下がる20時を待ってから利用するクルマが多いことがうかがえます。

 1日あたりの交通量は対前年比で増加していますが、木更津JCTから川崎浮島JCTまで走る際の渋滞による最大損失時間(渋滞で余計にかかる時間)は半減しているといいます。実験前の渋滞による損失時間は最大39分でしたが、実験中は最大21分でした。

 上り線の最大渋滞長も、前年同時期の平均より2.4km短い10.0kmでした。

 木更津金田IC周辺の国道409号や市道の走行速度や渋滞も改善しているといいます。

 国交省などは、すべての結果は1か月間という短期的なものであるため、引き続き、データなどを収集・分析して効果検証を進めていく方針です。

【図】東京湾アクアライン「交通量の変化」をグラフで見る(39枚)

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