海に浮かぶ「謎の島」なんのため? 2本のタケノコみたい… よく見るけど知らない「風の塔」の正体
東京湾には不思議な白い島が存在します。風の塔と呼ばれるものですが、いったい何のためにあるのでしょうか。
東京湾に浮かぶ謎の島はなんのため?
東京湾アクアラインのパーキングエリア「海ほたる」で降りると、川崎方面に、白い三角の建物が見えます。
また、羽田空港行きの飛行機から海ほたると川崎市の間にヨットの帆のような建物がポツンと浮いているのを、見たことがある人もいるかもしれません。
これはどのような建造物なのでしょうか。
この不思議な建物の正体は人工島です。「風の塔」と名付けられていて、海底を走るアクアトンネルの空気を入れ替える役目を負っています。
東京湾アクアラインは、川崎と木更津を結ぶ15.1kmの道路です。
そのうち風の塔がある位置は、川崎側の9.5キロのアクアトンネルのちょうど真ん中にあたります。
トンネル建設時には川崎方面と木更津方面への掘削機の基地として活躍し、完成した後から換気施設として稼働しています。
風の塔はアクアラインの車道のさらに下に緊急避難用の通路があり、そこを通ってクルマで行くことができます。
それでは、風の塔とは実際にどのようなものでしょうか。
まず人口島の大きさは、直径約200mです。海上で見るとわかりづらいのですが、東京ドームがすっぽり入るほどの大きさです。地下も114mと深く、最深部は地下6階にあたります。
その大きな島の上に、2本の巨大な塔が立っています。
海ほたる側の塔は高さ90mで、川崎側のほうは75mとなっており、大きい塔はニューヨークの自由の女神像と同じくらいの高さがあります。
2本の塔は役割が違い、大きい塔で新鮮な空気をトンネルに取り入れ、小さいほうで汚れた空気を排出しています。
つまり、2本の巨大ダクトで空気を入れ替えているというわけです。その都度必要に応じて換気するため、常に稼働しているわけではありません。
塔の内部はダクトなので空っぽですが、内側には細かい鉄骨が無数に張り巡らされています。
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