530馬力超え! 「“超豪華”爆速ミニバン」に驚愕! 約1000万円超えの“凄顔”大型モデル「ジーカー009」とは?

中国ジーリー(吉利)のミニバン「ジーカー 009」に中国車研究家の加藤ヒロト氏が試乗しました。どのような仕上がりなのでしょうか。

中国の最上級ミニバン「ジーカー009」とは?

 ジーリーのプレミアムブランド「ジーカー」の純電動ミニバン「009」に試乗しました。
 
 ジーカーに聞きなじみのない方は多いかもしれません。このブランドはロータスやボルボを傘下に収める「ジーリー(吉利汽車)」が2021年に立ち上げた新しい純電動ブランドです。

「Zeekr(ジーカー)」の新型MPV「009」(撮影:加藤ヒロト)
「Zeekr(ジーカー)」の新型MPV「009」(撮影:加藤ヒロト)

 2016年にボルボと共同で立ち上げた若者向けブランド「リンク・アンド・コー」に対する純電動の姉妹ブランドという立ち位置で、両者ともに近い関係性を持ちます。

 ジーカー初の車種「001」は当初、リンク・アンド・コーのコンセプトカーとして発表されました。のちに新ブランド立ち上げとともに量産モデル「001」がお披露目された形になります。

 ジーカー 001は純電動シューティングブレークで、駆動モーターには日本電産が開発した「E-Axle」を採用。

 E-Axleは電動車におけるモーター、インバータ、ギアを一体化した小型ユニットとして搭載できるのが大きな特徴です。

 オーディオにはヤマハが専用で開発したサウンドシステムを採用するだけでなく、オプション装備では曙ブレーキ工業の4ポットフロントキャリパーが選択可能と、なにかと日本企業とも結びつきが強い車種なのです。

 そのジーカー 001に続いて2022年11月にリリースされたのが、今回試乗したジーカー 009になります。

 ボディサイズは全長5209mm×全幅2024mm×全高1856mmと、ダイナミックなボディが特徴的ですが、その奇抜なフロントマスクは特に目を惹きます。

 逆U字のヘッドライトにメッキ仕上げのグリルと、ジーカー 001とは大幅に異なるデザインセンスが唯一無二の存在感を演出します。

 グレードは「WE」と「ME」の2タイプで、前者は容量116kWh、後者は容量140kWhの三元系リチウムイオン電池を駆動用バッテリーとして搭載しています。

 どちらもパワートレインは出力268hp(200kW)のモーターを前後に配置した四輪駆動で、合計出力536hp(400kW)、最大トルクは686Nmを誇ります。

 航続距離は116kWhモデルが702km、140kWhモデルが822kmとなっていますが、中国独自のCLTC方式であることを考慮してもこの数値はとても大きく、長距離をストレスなく移動できる純電動ミニバンを欲しがる層には魅力的でしょう。

 ジーリーが新世代ブランドより送り出した自信作ということもあり、内装の装備は非常に充実しています。

 シートは3列で6人が乗れる構成となっており、2列目は左右独立型のキャプテンシートを採用しています。

 今や高級ミニバンでは必須装備のマッサージ機能を搭載していますが、操作はライバル車種に多いタッチパネル式ではなく、物理ボタンで操作するタイプとなっています。

 ボタン自体もシックな雰囲気を演出する黒クロムメッキ仕上げを採用しており、ここからも高級感を感じ取ることができます。

 これ以外にも、飛行機で見るような小さなテーブルがアームレストから展開可能ですが、筆者(加藤ヒロト)が触れてみたところ、この立て付けもしっかりとしており、グラグラとする不安定感は一切感じませんでした。

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