なぜトヨタ「ノアヴォク」ひとり勝ち? 「Mサイズミニバン」各社ほぼ同時期に全面刷新も「圧倒的1位」の理由は?
2022年はミドルサイズミニバンが一斉にフルモデルチェンジし、トヨタ「ノア/ヴォクシー」、ホンダ「ステップワゴン」、日産「セレナ」の新型モデルが登場しました。そのなかでも圧倒的に売れているのはノアヴォクですが、他車より好調な理由は何なのでしょうか。
各社のミドルサイズミニバンで販売格差が生じた理由とは
最近はSUVの売れ行きが好調ですが、ミニバンも人気の高いカテゴリーのひとつです。国内で新車として売られる小型/普通乗用車の30%弱をミニバンが占めています。
しかも2022年以降は、ミニバンの注目度とお買い得度が大幅に強まりました。というのも、売れ筋のミドルサイズミニバンが一斉に新型へフルモデルチェンジしたからです。
2022年1月にトヨタ「ノア/ヴォクシー」、同年5月にホンダ「ステップワゴン」、同年11月に日産「セレナ」といった具合に、各車が相次いで全面刷新を実施。ミドルサイズのミニバンは、新型の出そろった今が買い時といえるでしょう。
ミドルサイズミニバンの売れ行きを見ると、車種ごとの差が大きいことがわかります。2023年1月から7月の1か月平均登録台数は、ノアが8604台、姉妹車のヴォクシーは8190台、セレナは6075台、ステップワゴンは2933台です。
このうち、ノアとヴォクシーは基本部分を共通化した姉妹車ですから、登録台数を合計すると1か月平均が1万6830台に達します。
トヨタの「ヤリスシリーズ」(コンパクトカーのヤリス+SUVのヤリスクロス+スポーツモデルのGRヤリス)を合計した1か月平均が1万6611台ですから、ノア/ヴォクシーはこれを上まわって小型/普通車の実質1位になるのです。
好調なノア/ヴォクシーと比べてライバル車は少々苦戦しています。セレナは1か月平均が6075台ですから、ノア+ヴォクシー販売台数の36%、ステップワゴンは2933台ですから同17%に留まります。
ノア/ヴォクシーとセレナ、ステップワゴンは、ボディサイズや動力性能が似ていますし、すべてのモデルでガソリン車とハイブリッド車を選べます。
発売時期もほぼ同じで、価格にも大きな差はありません。それなのに、なぜ売れ行きに大差が付いたのでしょうか。この背景には複数の理由があります。
前述の通りミドルサイズミニバンでは、外観、ボディサイズ、車内の広さ、シートアレンジといった基本的な機能が、いずれの車種でも似ています。従ってミドルサイズミニバンのユーザーは、車種を選ぶ時に迷いやすく、好調に売るには魅力的で分かりやすい特徴を備えることが大切です。
ノア/ヴォクシーはこの点を重視しており、例えばオプション価格が11万円前後の「トヨタチームメイト」を装着すると、渋滞時にステアリングホイールから手を離しても運転支援機能が作動するアドバンストドライブ、スマートフォンを操作することで車外から車庫入れなどが行えるアドバンストパーク、進化した衝突被害軽減ブレーキなどが加わります。
オプション価格が11万円前後の割に、プラスされる機能は豊富ですから、魅力的で分かりやすい特徴になっています。
このほかにも、スライドドアが開きかけている時にほかの車両が接近すると、ドアの作動を止めて降車時の事故を防ぐ「安心降車アシスト」、リアゲートを任意の角度で開き、後方が狭い場所でも荷物を出し入れがしやすい機能、オプション価格を3万3000円に抑えた「ユニバーサルステップ」(乗降用のサイドステップ)などがあります。
さらにフロントマスクは存在感の強いデザインで、ヴォクシーは個性をさらに際立たせるなど、ノア/ヴォクシーは基本的に同じクルマでも商品の幅を広げました。ノアには標準仕様も用意され、価格が一番安いガソリン車の「X」は、装備をシンプルに抑えて267万円です。
セレナは標準仕様を5ナンバーサイズに抑えて、シートアレンジも豊富です。最上級グレードの「ルキシオン」には進化した運転支援機能の「プロパイロット2.0」も用意しました。
また、ステップワゴンは走行安定性と乗り心地のバランスが優れているなど、もちろんライバル車にも優れた特徴がありますが、販売面では魅力の分かりやすいノア/ヴォクシーが絶好調です。
このご時世、納期無視で何いってんの?体力差でしょ。ノアヴォクがそこまで魅力があるようにも見えんし。
ノア・ヴォクの方が納期長いようですが…魅力が無いなら納期の短いセレナ・ステップに流れそうに思いました。