日産の「4ドア小型セダン」がスゴかった! “欧州車超え”評価もあった名車「プリメーラ」とは何だったのか
英国仕様の5ドア仕様も設定 また国内外のレースでも大活躍!
そんなプリメーラは、メインターゲットとなる欧州・英国日産のサンダーランド工場(イギリス)でも生産が行われていました。
1991年10月からは、その英国で生産された5ドアハッチバックボディを持つモデル「2.0e GT」(のちに「2.0SLX」も追加設定)を輸入して、国内のラインナップに追加しています。
またモデル末期となる1994年11月には、オーテックジャパン(現:日産モータースポーツ&カスタマイズ)が手掛ける「オーテックバージョン」を発売。
このモデルは当時プリメーラがJTCC(全日本ツーリングカー選手権)に参戦していたことを記念したモデルとなっており、2リッターエンジンは専用チューニングを施して+30PSの180PSとし、クロスレシオの5速MTやフロントビスカスLSD、専用の足回りにエアロパーツまでまとった本気のチューンドモデルとなっていました。
このように欧州市場をターゲットに日産が本気で開発をした初代プリメーラは、しっかり欧州でも評価された1台となっており、ドイツでは40年以上の歴史を持つ「ゴールデン・ステアリング・ホイール賞」を、イタリアでは「カー・オブ・ヨーロッパ1991」を受賞するなど大小さまざまな賞を受賞しました。
また欧州だけでなく、実は北米地域でも日産の高級車ブランドであるインフィニティのエントリーモデル「G20」として投入されており、買いやすい価格と充実した装備、そして欧州車並みの走行性能を持ち合わせる1台として一定の評価を集めていたのでした。
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2023年8月には、プリメーラのクルマづくりの基礎となったP901と同じ手法を用いて開発された「スカイラインNISMO」が登場。日産のセダン車で今もなお、愚直な開発思想が生かされているのは非常に興味深いところです。
すでに登場から30年以上が経過している初代プリメーラではありますが、未だに歴代トップクラスのハンドリング性能を持ち合わせたFF4ドアセダンと評価する声も根強く、状態のよい中古車は100万円を超えるプライスタグが付けられているほど。
近年では国産セダンの人気もすっかり低迷してしまっている状況ですが、初代プリメーラのような小型4ドアセダン車の再登場を期待している往年の日産ファンは、今も決して少なくないといえるでしょう。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
良い車だったかも知れないがファミリ-カでハイオク仕様は庶民にとっては痛かったね
初代P10プリメーラは名車だと思います。
もし当時のまま再販されたら400万でも買います。