「軽自動車」と「小型車」買うならどっちが良い? ホンダの人気車「N-BOX」と「フィット」で徹底検証!
ホンダの屋台骨を支えるモデルが「フィット」と「N-BOX」です。売れ筋の2車種ですが、実際のところどちらが優秀なのでしょうか。それぞれの特徴をさまざまな面から比較してみました。
ガソリン車だったらほぼ同じ価格帯のライバル同士!?
コンパクトカー(普通車)と軽自動車のどちらを選ぶべきかという悩みは、小さめのクルマの購入を考えているときの「あるある」ではないでしょうか。
それが日本で最も売れているホンダの軽自動車「N-BOX」と、同じくホンダのコンパクトカー「フィット」との比較ともなれば、どちらかに決めるのは困難を極めます。きっとこれまでに多くの人が悩んだことでしょう。
そこで、両車をスペックやオーナーの声などから多角的に比較。なお、N-BOXは2023年秋に3代目となる新型モデルが登場予定です。今回は現行モデルの2代目N-BOXと、4代目フィットで比べてみます。
まずは、車両価格です。2020年に登場した現行フィットの価格(消費税込、以下同様)は162万4700円(BASIC・FF)から271万8100円(e:HEV LUXE・4WD)です。
一方の現行N-BOXは2017年に登場した2代目モデルで、146万8500円(G・FF)から228万8000円(カスタム・Lターボコーディネートスタイル・4WD)です。
両車の最安値は約15万円差なのに対し、最高値では約43万円もの差がついています。これは主にフィットのハイブリッドシステムが高額なためでしょう。なお、フィットのガソリン車の最高値は236万1700円(LUXE・4WD)なので、N-BOXとの差は8万円以下にまで縮まります。
では、税金はどうなのでしょうか。N-BOX(L・自然吸気・FF)とフィット(e:HEV HOME・FF)の新車購入時に支払う税金を見てみると、「自動車税環境性能割」はどちらも0円です。
「自動車重量税」はN-BOXが3300円でフィットは0円、自動車税は8月登録の場合フィットは月割で1万7700円ですが、軽自動車税は月割という制度がなく翌年からの課税(1万800円)となるためN-BOXは0円。ここまでの両車の差額は1万4400円です。
ちなみにフィットのガソリン車(HOME・ガソリン・FF)は自動車税環境性能割が4万6500円、自動車重量税が3万6900円となり合計金額は10万1100円のため、N-BOXとの差は広がり9万7800円になります。
保険はどうでしょうか。「自賠責保険(37か月)」はガソリン車、ハイブリッド車を問わずフィットは2万4190円で、N-BOXは2万4010円とほとんど差はありません。任意保険は加入条件や保険会社により値段が変わるので細かい数字は出せませんが、だいたい軽自動車のほうが2割ほど安いのが相場です。
動力性能および燃費では、フィットのパワーユニットは1.3リッター直列4気筒エンジン(118馬力)と、1.5リッター直列4気筒エンジン(106馬力)+モーター(123馬力)のハイブリッド(e:HEV)。燃費性能はそれぞれ18.5km/Lと29.0km/L(WLTCモード・HOME・FF)とやはりハイブリッドに軍配が上がります。
フィットのガソリン車オーナーからは「過不足ない性能。実燃費は15km/Lぐらい」、ハイブリッド車オーナーからは「発進から力強くスムーズ。丁寧に走れば30km/Lも」といった趣旨の声が多いようです。
一方のN-BOXは658cc直列3気筒ガソリンエンジンで、58馬力の自然吸気と64馬力のターボ付きをラインナップ。それぞれの燃費は21.2km/Lと20.2km/L(WLTCモード・L・FF)で、カタログ値では大きな差はありません。
N-BOXの自然吸気とターボは、スペック上ではわずか6馬力しか違いはありませんが、ターボ車オーナーによると「乗り比べると全然違う」のだとか。その一方で、「エンジンやCVTの制御が洗練されているからか、自然吸気でもふた昔前の軽のターボに近いぐらいのパワー感」という声もあるようです。
軽自動車は室内幅さえ納得できれば、広大な室内スペースが魅力なので、一人で乗る分には良いかもしれませんが、家族4人で乗車している時に後方から追突された時のことを考えると、怖くてなかなか購入には至らない。