三菱ふそうトラック・バスは、2023年8月10日にインドネシアの首都ジャカルタで開幕した「第30回GAIKINDOインドネシア国際オートショー（GIIAS）」（20日まで開催）において、インドネシア市場向けの小型バス「キャンターバス」の新型や小型トラック「キャンター」の特別仕様車など、複数の車両を初公開しました。

「キャンター」はインドネシア市場には半世紀以上前に導入され、同国の小型トラック市場で首位の座を維持し続けてきたとのことで、同国最大のモーターショーの場で、多くの初公開車両をお披露目することになりました。

　同社のブースでは、小型トラック「キャンター」が2023年に誕生60周年の節目を迎えたことを記念して、ドライバーモニターやディスプレーオーディオなど、ドライバーの快適性や安全性をサポートする機能を備えた特別仕様車両を展示。この車両は60台限定の販売予定で、60周年記念ロゴ入り特別デザインのシートを採用したとのことです。

　今回のGIIASでは、電気小型トラック「eCanter」新型モデルのインドネシア市場での初公開も行われました。販売はジャカルタ都市部の顧客を対象に2024年に開始する予定です。

　また、三菱ふそうの現地販売代理店であるPT Krama Yudha Tiga Berlian Motors（以下KTB社）は、「キャンターバス」の新型モデルを公開しました。「キャンター」のシャシーをベースに架装部分（シャシーに載せる装備のこと）をバス仕様にした車両で、観光業界の需要に応えるため、より多くの乗客が快適に利用できるよう従来モデルより車体を長く設計し、座席間隔を広げると同時に、座席数増も実現。同社がユーロIV排ガス基準に準拠する完成車のバスを販売するのは、今回の「キャンターバス」が初めてとのことです。

　さらにKTB社は、中型トラック「ファイターX」のオフロード向けモデルも出展。資源が豊富なインドネシアでは、山林や採石場での資源収集と運搬が中型トラックの需要につながっており、2023年3月から販売しているオフロード仕様「ファイターX」は、未舗装路や不整地での利用に合わせ、通常モデルよりも最低地上高を高く設定し、汚れが目立ちにくいマットブラックのフロントグリルや標準装備のラジエーターガードなど、さまざまな路面条件に対応する特徴を持っています。

　これらの新製品に加えてKTB社は、「キャンター」を移動式整備ステーション「モバイル・ワークショップ」に改造した車両も展示。この車両は販売店を拠点に、整備士やサービススタッフが直接顧客のもとへ出向き、メンテナンスや修理などの要望に応えるためのもので、現在インドネシアでは120台以上が稼働しているそうです。

　KTB社の田中伸和社長は、GIIASでのカンファレンスで「（キャンターにとって）インドネシアは非常に重要なマーケットで、多くの皆さまに愛されております。今年のGIIASのテーマ『Future Now』に沿って、電気トラックのパイオニアである『eCanter』もお披露目します。インドネシアで三菱ふそうはこれまでも絶大な信頼をいただいております。この地で新たな未来を迎えるために、私たちはインドネシアカスタマーのニーズに真摯（しんし）に応えるべく、製品の革新と改良を今後も続けていきます。ご期待ください」と来場者に呼び掛けました。