ハイテク満載でもMTあり!? 三菱の「ラグジュアリーセダン」が凄い! 大型ボディで大ヒットした傑作サルーン「ディアマンテ」とは
SUVメーカーのイメージが強い三菱ですが、バブル真っ只中の1990年には高級セダンの大ヒットがありました。今回は初代「ディアマンテ」シリーズを紹介します。
デビュー前年に自動車税制度の改革で販売を後押し!
今ではすっかりSUVを得意とするメーカーというイメージとなった三菱。しかし1990年代初頭には、ミディアムクラスのセダンの大ヒット車種を生み出した過去もありました。
それが、1990年5月に登場した初代「ディアマンテ」です。
ディアマンテは、全幅1775ミリというワイドで余裕のあるハードトップボディを持ち合わせていました。
実は、デビュー前年の平成元年(1989年)に自動車税の改正がなされ、3ナンバー車の税金が大きく引き下げられたタイミングでの登場だったことも、ディアマンテ人気に火をつける一因となりました。
というのも自動車税が改正される前は、例えエンジンの排気量が2000cc未満であったとしても、ボディが3ナンバーサイズとなるだけで8万1500円という超高額な税額となっていたのです。
ただ改正後は、現在のようにエンジンの排気量によってのみ金額が変わるようになったため、今まで高嶺の花だった3ナンバー車に手が届きやすくなり、多くのユーザーが憧れの3ナンバー車を求めたというワケなのでした。
とはいえ、ディアマンテが大ヒットした理由は、リリースされたタイミングだけではありません。
ボディサイズの制約から解き放たれたドイツの高級サルーンを思わせる優雅なデザインや、当時のこのクラスの車種としては珍しかった四輪駆動モデル(VCU付センターデフ式フルタイム4WD)をメインとし、全車V型6気筒エンジンを搭載する高性能ぶりも魅力のひとつでした。
さらに電子制御サスペンションや4WS、4輪ABSなどを統合制御するアクティブフットワークシステムや、マルチビジョン、三菱インテリジェントコックピットなど、当時の技術の粋を集めたハイテク装備を多く搭載していた点も人気の要因となっていたのでした。
なお全車V6となるパワートレインは、新たな税区分に対応するように、2リッター、2.5リッター、3リッターの3種類が用意され、3リッターモデル以外には5速MTが用意されていたのも時代を感じる設定と言えるでしょう。
そんなディアマンテの兄弟車として、およそ半年遅れの1990年10月に登場したのが「シグマ」というモデルです。
このシグマは兄弟車ということで、フロントマスクのデザインをディアマンテと異なるものにするなど差別化が図られていましたが(後期型ではディアマンテと共通となる)、最も違うのはそのボディタイプ。
ディアマンテは4ドアハードトップとなっていましたが、シグマは4ドアセダンとなっており、全高が25ミリ高められて乗員の頭部スペースを拡大していたほか、Cピラーにもウインドウが備わる6ライトのサイドビューとなっていたのです。
居住性が高められていたことで、法人需要にも対応できるモデルとなっていたシグマ。
しかし元々は、ハードトップが不人気な海外地域向けのモデルという側面も持ち合わせており、オーストラリアでは現地生産車の「マグナ」として販売されていました。
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