車の「タコメーター」の役割はナニ? 近年はなぜ“不要”になってきた? 実は意外と知らない活用方法も存在!
多くのクルマにはスピードメーターに隣り合うように「タコメーター」が装備されています。どういった役割を持ち、どのように活用すればいいのでしょうか。
「タコメーター」の役割とは?
クルマの状態を知る上でメーターの表示は欠かせませんが、スピードメーターと隣り合うように装備されているものに「タコメーター」があります。
普段あまり意識するものではありませんが、どういった役割を持っており、活用方法はあるのでしょうか。

タコメーターは0からはじまり、ほとんどのクルマでは最大5から8ほどの数字が振られ、中央部には×1000rpmと記載されています。
このタコメーターの正式名称は「回転速度計」といい、エンジンの回転速度を測定する計器になっているのです。
では、なぜエンジンの回転速度を表示する必要があるのでしょうか。自動車整備工場に勤めるF整備士は以下のように話します。
「ガソリンなど燃料を燃やして出力を得る内燃エンジンでは、この回転速度がトルクなどの出力に大きく関係します。
エンジンはピストン内の爆発によって、車軸を回す大出力を得る仕組みになっていますが、必ずしも高回転になるほどハイパワーになるわけではありません。
実はどのエンジンにも、効率よくパワーが引き出せる回転域(いわゆるパワーバンド)というのがあり、この回転域を効率よく使うためにギアで変速する必要があるのです。
またパワーバンドに満たないエンジン回転速度のほうが好燃費になりやすいこともあり、その回転速度を任意で調整するための情報をドライバーに認識させる役目を担っているんです」
エンジンを必要に応じて効率よくパワーを引き出すために、タコメーターの指針を確認することで、最適なアクセルの踏み加減やシフトポジションを選択することができます。
一方で、現在国内で新車販売されるクルマの98%はAT(オートマチックトランスミッション)車が占めています。
自分でシフトポジションを選択するMT(マニュアルトランスミッション)車と違い、AT車はエンジン回転速度や車速、アクセルペダルの踏み加減などを判断して自動で変速してくれる機構です。
その場合ではタコメーターの存在も不要になってきたとも捉えられますが、実際にはどうなのでしょうか。F整備士は以下のように話します。
「確かにATメインの現代では重要度が低い計器になっています。現に軽自動車の一部やMTしかない大型バイクでもタコメーターを装備しないケースがあります。
またハイブリッド車の場合、エンジンは動力源ではなく発電機としての役割が大きく、速度に関係するというより効率のいい回転域を保つように自動設定されています。
そう考えると、回転速度の情報はあまり重要視されなくなったといえます。
一方で、電気やモーターに依存する領域が増えたとはいえ、やはりエンジンの状態をひと目でわかる計器を望むユーザーも多いのでしょう。
現在ではタコメーターはマストではない計器になりつつも、エンジンが動いている雰囲気を演出する要素のほうが強いでしょうね」(F整備士)
実際、スポーティさを追求したモデルではスピードメーターよりもタコメーターを意識した計器配置にしたり、標準車ではタコメーターがなくても、スポーティグレードのみ装備しているケースもあります。
AT車の普及とともに、タコメーターの存在意義も大きく変化したようです。






















































