免許不要でも罰金「最高100万円!?」 わかりにくい「電動キックボード」の選び方は? 7月1日から「特定原付」とは
安心&安全性の高い「認証シール」付きの特定原付(一般販売向け)は3機種のみ
国交省によると、2023年6月12日時点で公益財団法人日本自動車輸送技術協会によって保安基準適合性等が確認された特定小型原動機付自転車の型式は3機種としています。
これら3機種のうち、時速6km/h以下に速度抑制ができる特例特定原付としての保安基準を満たしたものは以下の1)と2)になります。(他にも5機種ありますがすべてシェア用で一般販売はなし)
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1)長谷川工業株式会社『YADEA』(ヤディア)KS6PRO-JP(歩道走行可能)税込み19万8000円
長さ×幅×高さ=1192×520×1258mm 車両重量22kg
バッテリー36V15AH/定格出力500W/最大荷重110kg/充電時間5時間/最大航続距離60km/最大登坂能力15度(26.8%)※体重82kg乗車時
2)株式会社ストリーモ『ストリーモ』S01JT(歩道走行可能)税込み30万円
長さ×幅×高さ=1090×500×1180mm 車両重量24kg
バッテリー36V13AH/定格出力430W/最大荷重120kg/充電時間3.5時間/最大航続距離30km/最大登坂能力(75 kg乗車時)発進時17.5%、登坂時21%
3)SWALLOW合同株式会社 『Falcon P.E.V.』ZERO9 Lite(歩道走行には非対応)税込み13万8000円
長さ×幅×高さ=1130×595×可変式900~1130mm 車両重量18.5kg
バッテリー36V 10.4Ah/定格出力350W/最大荷重100kg/充電時間5-6時間/最大航続距離30km/最大登坂能力(70kg乗車時)15%
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公益財団法人日本自動車輸送技術協会にて性能等確認が行われて保安基準適合が認められた特定原付には「認証シール」が貼られます。
なおこの認証シールは認証を得た販売者側で作成し貼り付けることになっています。
この認証シールが貼られていない電動キックボードでも、特定原付としての保安基準を完全に満たしてナンバープレートと自賠責保険を付けていれば免許もヘルメットも無しで公道(歩道、車道)を走ることに問題はありません。
しかし、取り締まる側の警察やナンバーを出す自治体の担当者などが特定原付の保安基準や必要な保安部品などをよく理解していないケースもまだまだ多いと考えられます。
歩道で乗っていて警察から職務質問を受けた際などに、保安基準適合の確認に時間や手間がかかる可能性もあります。
ナンバープレートを発給する自治体の中には「認証シールがない車体に対してはナンバープレートを出さない」としているところもありますので認証シールが貼られた車体を選ぶ方が無難と言えるでしょう。
認証シールが貼ってある車体は実物を見てきましたがYADEA KS6PRO(税込み19万8000円)もストリーモ(同30万円)も価格は高めですが、乗った時の安定感が抜群で操安性にも優れ、安全性が高い製品だと感じました。
とくにストリーモは後輪2つの3輪タイプとなるため、操安性はもちろん後ろに荷物を置くスペースもセットできるため小規模配送などの業務にも使えそうです。
特定原付の導入で大幅な規制緩和となった日本の電動キックボードですが、海外では死亡事故多発によって歩道走行を禁止するなど電動キックボードの規制強化が進んでいます。
パリでは2023年4月の住民投票で電動キックボードのレンタルサービス廃止が確実になりました。
免許を取得せずに電動キックボードに乗ろうとしている人は特定原付のための道交法をしっかり理解して乗って欲しいものです。
免許不要であっても各種の罰則は免許が必要なバイクや自動車とほぼ同じであることに注意してください。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
軽車両は交通違反の反則金ありません。ただしたとえ信号無視でも違反すれば即刑事罰。すなわち検察に出頭させられ、実刑かもしくは罰金刑だからな