最安モデルが540万円! トヨタ「アルファード」なぜ“上級グレード”しか設定されない? 最近のクルマが選択肢を大幅に絞る本当の理由とは

最近のクルマはグレード数が少ないものが多いです。車種ごとにさまざまな理由があるのですが、一体どんな事情が存在しているのでしょうか。

なぜ最近のクルマはグレード数を減らすのか?

 乗用車には、ひとつの車種でも「グレード」と呼ばれる複数の選択肢が用意されています。
 
 基本的にクルマ選びとは“車種”選びのことを言いますが、グレードによってエンジンの排気量や標準装着される装備が異なるほか価格も違うことから、実際にはグレード選びも重要なポイントです。

540万円スタートのトヨタ新型「アルファード」
540万円スタートのトヨタ新型「アルファード」

 そして、例えば価格が200万円の上級グレードに標準装着される装備が、170万円の中級グレードにはオプションで設定されていることもあります。価格が高くても多くの装備が標準装着される上級グレードを選ぶか、中級グレードに必要なオプション装備を加えるか、という選択の可能な車種も多いです。

 その一方で、このグレードの数が、最近は減る傾向にあります。

 分かりやすい車種はトヨタ「アルファード」でしょう。

 先代のアルファードのパワーユニットは、2.5リッターガソリン、2.5リッターハイブリッド、3.5リッターV型6気筒の3種類が設定され、ボディカラーも7色から選べました。

 ところが現行アルファードのパワーユニットは、2024年12月時点では、2.5リッターのガソリンと同ハイブリッド車のみです。

 姉妹車の「ヴェルファイア」では、2.5リッターガソリンを選べない代わりに2.4リッターターボが用意されますが、いずれも選べるエンジンは2種類です。

 グレードの数も、アルファード・ヴェルファイアともに基本的には2種類で、アルファードの場合、Zにガソリン車とハイブリッド車が用意され、そのほかはハイブリッドを搭載する上級の「エグゼクティブラウンジ」だけ。ボディカラーも限られており、アルファードは3色、ヴェルファイアは2色です。

 アルファードとヴェルファイアのグレードが少ない理由について開発者は「一番大きな理由は納期を抑えるためです」と言います。

 両車ともに人気車ですから、生産規模の割に需要が多く、グレードを豊富に用意すると受注台数がさらに増えます。そこでグレードを上級のみに絞りました。

 価格も高額化し、最も安価なアルファードZでも540万円に達します。

 ちなみにアルファードの福祉車両には、「Gウェルキャブサイドリフトアップチルトシート装着車」が用意されています。

 通常グレードのガソリン車にも安価なGグレードが設定されるという噂がありますが、いつ頃追加されるのかはわかっていません。

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