伝統の「スカイライン」はどうなる!? ビッグネーム「ブルーバード」「サニー」「セドリック」はなぜ廃止されたのか

最後のビッグネーム「スカイライン」は生き残れるのか

 カローラやクラウンと同じように、日産がもしビッグネームを残していたら、今頃どうなっていたのでしょうか。

 というのも、セダン市場の斜陽化という側面は無視できなかったにせよ、改名し誕生した後継モデルは、いずれも大成功を納めたとはいえないからです。

 現に「ティーダラティオ」「シルフィ」「フーガ」はすでに、すべて消えてしまっています。

もはや伝説級のブランドといえる「スカイライン」を紹介する日産自動車 星野朝子 副社長[写真は2019年に行われた現行型(V37)スカイラインのマイナーチェンジ時の記者発表の模様]
もはや伝説級のブランドといえる「スカイライン」を紹介する日産自動車 星野朝子 副社長[写真は2019年に行われた現行型(V37)スカイラインのマイナーチェンジ時の記者発表の模様]

 そのなかで、ひとり気炎をはく日産のビッグネームがあります。消滅の危機を乗り越え、いまも存在を続ける「スカイライン」です。

 スカイラインはプリンス自動車工業から1957年にデビュー。日産との合併も経ながら、65年以上が経過した今も根強いファンが多く存在します。

 現在もスポーツセダンとして存続していますが、現行型(13代目)は2013年のデビューから10年が経過し、SNSなどではそろそろ新型の登場を、と期待する声も多く見られます。

 ほぼ同時期の1955年に初代がデビューし、スカイライン同様に今も歴史を重ねているクラウンは、SUV化や海外市場への進出を敢行して賛否を巻き起こしました。

 しかし単に延命させるのではなく、新たな4つの車系へ分化させる積極策に打って出たことは注目されるところです。

 歴史あるクラウンというビッグネームをベースに、トヨタやレクサスとは異なる新たな流れを生もうとする気迫すら感じさせます。

 スカイラインもまた、現代の潮流に合わせた変化を行ってでも、生き残り続けて欲しいと筆者は強く願っています。

 もはや伝説ともいえるそのブランド力を消すには、あまりにも惜しいビッグネームだと思うのです。

※ ※ ※

 日産の星野朝子 副社長は2021年6月、一部の新聞が「スカイラインが廃止される」と報じた直後、会見で「日産自動車はスカイラインを決してあきらめない」と宣言したことで、クルマ好きの間で話題を呼びました。

 しかしそれから丸2年が経過したものの、新たな発表はみられません。

 期待し待ち続ける日産ファンのためにも、そろそろ次なる“宣言”を待ちたいところです。

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Writer: 遠藤イヅル

1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。

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