伝統の「スカイライン」はどうなる!? ビッグネーム「ブルーバード」「サニー」「セドリック」はなぜ廃止されたのか

日産の「ビッグネーム」が消えた理由とは

 このように日産では、1990年代末から2000年代、そして現代にかけて「サニー」「ブルーバード」「セドリック」「グロリア」といったビッグネームが次々と消えて行きました。
 
 国民の多くがその名を知っていたような伝統・由緒ある車名ですが、どうして消滅してしまったのでしょう。

広く定着したはずの車名をあっさりなくしてしまった日産の政策は、果たして正解だったのでしょうか[写真は7代目「セドリック」(Y31型)]
広く定着したはずの車名をあっさりなくしてしまった日産の政策は、果たして正解だったのでしょうか[写真は7代目「セドリック」(Y31型)]

 その理由の根本には、当時の日産の経営不振があげられます。

 高い技術力で多くのファンを獲得してきた日産ですが、1990年代には各モデルの販売台数が低迷。経営改革の遅れなども合わせ、経営危機に陥ります。

 そこで1999年、日産はフランスのルノー傘下に入って立て直しに着手することになりました。

 新たに就任したカルロス・ゴーンCEOは、「コストカッター」の異名の通り工場の集約と廃止、国内生産台数キャバシティ・大幅な人員削減など大胆な施策を断行してV字回復に成功しました。

 しかしその際、車種の整理統合も実施され、「ローレル」「パルサー」「シルビア」などもカタログから落ちてしまったのです。

 とはいえ、サニー、ブルーバード、セドリック、グロリアなどのメイン車種には後継車もあったので、長年培われたブランド車名まで消してしまう必要があったのだろうか、と筆者(遠藤イヅル)は考えずにはいられません。

 当時、各車ともユーザー層が高齢化していたことから、リバイバルを機に新たな名前を与えることでイメージを一新、新たなユーザー・市場の開拓を目指していたのも事実です。

 ブランドイメージが古くなる、というのは日産に限ったことではありません。

 トヨタでも「コロナ」を「コロナプレミオ」と改名、かのカローラでさえ、「アクシオ」といったサブネームを与えていた時期もありました。

 しかしカローラは2018年から2019年にかけて実施したフルモデルチェンジで、「高齢層が乗るクルマ」を脱して若返りに成功。

 クラウンも姿形こそ大きく変わったものの、「伝統の国産高級車」というブランド力をむしろ積極的に誇示して販売を行なっており、時代が変わってもブランド名を残し続けることの重要性を説いています。

 そう考えると、かつて日産が打った「ビッグネームの主力車種まで車名を変えてしまう」という手は、少しやりすぎだったのではないでしょうか。

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