エンジン始動時「待ち」と「様子見」必要だった!? もはや懐かしい「ディーゼル車」始動の「ナゾ儀式」とは

うまく始動するのも失敗するのも「ドライバー次第」だった!?

 グロープラグにも進化の過程がありました。

 まず「キースイッチ式グロー」の時代から振り返ってみましょう。

メーター内にインジケータ表示があるディーゼルエンジン搭載車の例[写真は日産「グロリア」(2.8リッター直列6気筒LD28型ディーゼルエンジン搭載車)]
メーター内にインジケータ表示があるディーゼルエンジン搭載車の例[写真は日産「グロリア」(2.8リッター直列6気筒LD28型ディーゼルエンジン搭載車)]

 ディーゼルエンジンには点火、すなわちイグニッションシステムがないことから、ガソリンエンジンではイグニッションスイッチと呼ぶスイッチを、エンジンスイッチと呼びます。

 何だか「つける」スイッチのような名前ですね。

 現在のイグニッションスイッチは「LOCK-ACC-ON-START」の4ポジション式ですが、エンジンスイッチではONとSTARTの間にグロー位置を設定していました。

 ドライバーは、エンジンを始動するときに、エンジンの温度が低いかどうかを考慮します。

 低いであろうと感じたときは、エンジンスイッチをいきなりSTARTにせず、グロー位置に保持します。

 すると、グロープラグに電気が流れるとともに、メーターの中にはグロープラグ通電中を知らせるインジケータランプが点灯します。

 グロープラグの温度が上がってくると、インジケータランプの明るさが徐々に暗くなっていきます。

 ドライバーはインジケータランプが完全に消えるのを待って、エンジンスイッチをSTART位置まで回します。

 するとスターターモーターが作動して、初めてエンジンを始動出来るのです。

 この時、グロー位置にせずにいきなりSTART位置にすると、スターターモーターは回るものの軽油は燃えてくれず、いつまでたってもエンジンを始動できません。

 そんなことをしているうちにバッテリーを上げてしまったり、スターターモーターを焼損させてしまうこともありました。

 もちろん、エンジンが十分に温まっているときには、グロー位置を飛ばしてSTART位置までスイッチを操作します。

 グロー位置に保持しても良いのですが、バッテリーの電気が無駄になるうえに待ち時間も無駄になりますから、そんなことはしません。

 すなわち、うまく始動するのも、始動に失敗するのもドライバー次第だったのです。

 このように、ディーゼルエンジンはグローの取り扱いに慣れが必要でした。

 第一次ディーゼルエンジンブームの頃、上手に使いこなせた人はどれだけいたのでしょうか。

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6件のコメント

  1. まず昔のディゼルエンジンはほとんどが渦流式であり、始動時、濃い燃料を予備燃焼室に吹き込み(種火)筒内の燃料に引火させ、始動時グロ-プラグで筒内温めて点火。シリンダ-とピストンの隙間も大きかったため、エンジンが温まる迄待ち

  2. 酷使されるのにアイドリングストップ付いて更に過酷になっているが、バッテリーは5年以上使えた。アイストしなくなり出したのは5年3ヶ月頃から。その後の6ヶ月点検時に交換しました。10km程度の短距離通勤で使用がメインです。
    むしろイグニションシステムない分スタート時のみの負担が大きいだけですね。

  3. 30数年前、大学の先輩とスキーに行ったがディーゼル四駆のエンジンが掛からなくなってしまったことがある
    空気が温まるまで待たないとダメなのだが氷点下並みの気温だと時間が掛かった
    その点は今は当然解消されてるのでしょう。

  4. ガソリン車だって昔はチョークレバーを引っ張ってエンジンをかけたのと似たようなもの。ディーゼルはグローでちょっと待てばいいだけだから儀式ってほどでもないと思う。グローの間にシートベルトをしたり準備してれば気にならない

  5. ld28とかの世代だったらグロー自動ですよね。nv350のキャラバンも結構グロー待たされるみたいですけど。

  6. あれ?グローインジケータは、だんだん暗くなったりしましたっけ?!確か、いきなり消灯するのではなかったかな?(車種によると思うが) あと、バッテリ切れの危険を犯すことをせず、キッパリ冬を越す前に交換するのが予防整備として適切ではないかと思う。筆者はメンテンスの知識が乏しいらしい。

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