エンジン始動時「待ち」と「様子見」必要だった!? もはや懐かしい「ディーゼル車」始動の「ナゾ儀式」とは
うまく始動するのも失敗するのも「ドライバー次第」だった!?
グロープラグにも進化の過程がありました。
まず「キースイッチ式グロー」の時代から振り返ってみましょう。
![メーター内にインジケータ表示があるディーゼルエンジン搭載車の例[写真は日産「グロリア」(2.8リッター直列6気筒LD28型ディーゼルエンジン搭載車)]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2024/06/20230612_NISSAN_GLORIA_430_DIESEL_001.jpg?v=1686564693)
ディーゼルエンジンには点火、すなわちイグニッションシステムがないことから、ガソリンエンジンではイグニッションスイッチと呼ぶスイッチを、エンジンスイッチと呼びます。
何だか「つける」スイッチのような名前ですね。
現在のイグニッションスイッチは「LOCK-ACC-ON-START」の4ポジション式ですが、エンジンスイッチではONとSTARTの間にグロー位置を設定していました。
ドライバーは、エンジンを始動するときに、エンジンの温度が低いかどうかを考慮します。
低いであろうと感じたときは、エンジンスイッチをいきなりSTARTにせず、グロー位置に保持します。
すると、グロープラグに電気が流れるとともに、メーターの中にはグロープラグ通電中を知らせるインジケータランプが点灯します。
グロープラグの温度が上がってくると、インジケータランプの明るさが徐々に暗くなっていきます。
ドライバーはインジケータランプが完全に消えるのを待って、エンジンスイッチをSTART位置まで回します。
するとスターターモーターが作動して、初めてエンジンを始動出来るのです。
この時、グロー位置にせずにいきなりSTART位置にすると、スターターモーターは回るものの軽油は燃えてくれず、いつまでたってもエンジンを始動できません。
そんなことをしているうちにバッテリーを上げてしまったり、スターターモーターを焼損させてしまうこともありました。
もちろん、エンジンが十分に温まっているときには、グロー位置を飛ばしてSTART位置までスイッチを操作します。
グロー位置に保持しても良いのですが、バッテリーの電気が無駄になるうえに待ち時間も無駄になりますから、そんなことはしません。
すなわち、うまく始動するのも、始動に失敗するのもドライバー次第だったのです。
このように、ディーゼルエンジンはグローの取り扱いに慣れが必要でした。
第一次ディーゼルエンジンブームの頃、上手に使いこなせた人はどれだけいたのでしょうか。















































