トヨタ「ハイエース」は、商用車としてだけでなく、アウトドアレジャーや車中泊といった個人ユースでも人気を集めるワンボックス型バンです。
　
　そんなハイエースにはガソリン車とディーゼル車がラインナップされており、どちらを購入するか迷う人も多いのではないでしょうか。
　
　ガソリン車とディーゼル車は、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

　まず、ガソリン車のメリットですが、「車両本体価格が安い」ことが挙げられます。

　個人ユーザー向けの上級グレードである「スーパーGL（ロング・標準ボディ・標準ルーフ・2WD）」の場合、ガソリン車が314万5700円、ディーゼル車が375万5500円と約60万円の差があり、ガソリン車のほうが初期費用を抑えられるという点はメリットでしょう。

　なお、スーパーGLには特別仕様車として「ダークプライムII」が用意されており、ガソリン車／ディーゼル車がラインナップされているのですが、これは通常仕様のスーパーGLよりも内装が豪華なほか、ヘッドランプがLED化されているなど、魅力的な装備が盛り込まれています。

　通常仕様との価格差は約14万円。スタイルにもこだわりたいという人におすすめのグレードといえます。

　ガソリン車のもうひとつのメリットは、「音が静か」ということがあります。

　ディーゼル車の場合、特有の「ガラガラ音」が発生しますが、ガソリン車の場合はそのような音はなく、静粛性に優れています。

　現行の７型ディーゼル車はクリーンディーゼルエンジンを搭載しており、エンジン音は以前より軽減されているものの、ガソリン車と比較すると騒音は大きくなります。

　静かな住宅地の近くに住んでいる人などは、静粛性も気になるところでしょう。その点においては、ガソリン車のほうが勝っているといえます。

　一方、ガソリン車のデメリットは、「燃料費が高い」ということです。一般的に、ディーゼル車の軽油よりもガソリン車のガソリンのほうが価格が高く設定されており、なおかつハイエースの場合、ディーゼル車のほうが低燃費なのです。

　スーパーGL（ロング・標準ボディ・標準ルーフ・2WD）のWLTCモード燃費は、2リッターガソリン車が9.2km／L、2.8リッターディーゼルが12.4km／L。

　カタログ値からの燃費で単純計算すると、月に1000km走行したとき、ガソリン車（レギュラーガソリン1リッター=160円）は約108リッター消費で1万7280円、ディーゼル車（軽油１リッター=148円）は約80リッター消費で1万1840円となり、差額は約5440円。1年間で計算すると、ガソリン車は約6万5000円出費が多いということになるのです。

　使用条件にもよりますが、長距離走行が多い人は、ガソリン車は燃料費が多くかかるということも考慮すると良いでしょう。