もはや懐かしい! エンジン始動時の「ナゾ儀式」 “一発で始動”が当然ではない時代に必要だったドライバーの「テクニック」とは
エンジン始動には欠かせない「マニュアルチョーク」の「儀式」とは
まず、全手動式「マニュアルチョーク」の場合から紹介します。
ドライバーはエンジンの温度や気温を感じ取り、チョークノブを引く量を決めます。
温度が高い時はノブを引かず、ぬるい程度なら半分程度引き、冷えていればいっぱいに引く、などです。
特にエンジン温度が低い時は、チョークノブを引くことに加えて、スターターモーターを回す前に数回アクセルペダルを操作し、エンジン内部にガソリンを送っておきます。
スターターモーターを作動させているときにも、ドライバーはエンジンの回転具合に気を配ります。
いつもより長く回してもエンジンがかかりそうにない時には、アクセルペダルを踏んだり離したりしてさらにガソリンをエンジン内部に送ります。
また、アクセルペダルを全開にすると、空気だけがより吸い込まれますので、ガソリンの量を減らせます。
このようにして、スターターモーターが作動しているときの空気とガソリンの量を調整し、なるべく早くエンジンがかかるようにするのでした。
もしエンジン始動に失敗すると、しばらくスターターモーターとバッテリーを休ませ、エンジン内部に入ったガソリンを揮発させます。
とはいえ、ここまで手間がかかるのはハイパワーエンジン車であり、標準的なエンジンを搭載するファミリーカーでは、多くの場合、チョークノブの操作のみでエンジンを始動できました。
しかしエンジンがかかっても、気は抜けません。
エンジンはアイドリング回転数を高くするファーストアイドルを行うのですが、エンジン温度の上昇とともに、ドライバーによりチョークバルブを徐々に押し戻す操作が必要です。
これによりチョークバルブが開き、吸い出されるガソリンの量が減少、アイドリング回転数も低下します。
この操作を忘れるとガソリンの量が多すぎて、エンジンが十分に吹け上がらないのです。
ドライバーがチョークノブを戻すことを忘れることが多かったのか、チョークノブを戻すように促すインジケータランプを点灯させたり、チョークノブの部分に電気スイッチを設け、エンジンが温まったらチョークノブ位置を強制的に戻すようにしたものもありました。
イマドキの車に標準装備されたオートライトは明るくても勝手に点灯してしまうので困ったものですが、逆にエンジンを切ると勝手に消える。そして少し前の車ならエンジン切ってもライトが点いているとピーーーという警告が鳴ってました。
昔はそんなものが無いので、ライトの消し忘れに依るバッテリー上がりが多くて、ブースターケーブルを積んでいる車も多かったですね。それに今ほどバッテリーの性能は良くなくて、始動に手間取るとセルの音が徐々に元気がなくなりエンジン始動を失敗する人も。
感覚的に音でアクセルワークとチョークをどのくらい引くかとか、指導前に何回アクセルを空踏みするかとか、始動中にアクセルをどのくらい踏むかとか色々と工夫した人も多いのでは。
そういえば、今のエブリィって変な場所にバッテリーがあるので、バッテリーが上がると荷室床のカバーを剥がす必要があるとか。随分と面倒くさい場所にバッテリーを装着したものだと。後部座席下の無駄な空洞に配置してくれれば良かったのに。
これチョ-クね。昔の車はすべてキャブレタ仕様。エンジン始動時、強制的に濃いガスをシリンダ内に送り込むためのもの。今は燃料噴射はすべて電子制御。だからチョ-クは不要に。
このチョ-クを引っ張ったままだと真っ黒な排気が!そしてプラグがかぶる原因にも
懐かしいね
いわゆる旧車に乗って居たが「チョークを引いて」って簡単に書いているが、(車種にもよると思うが)実際に目一杯引くと、スロットルも多少上がるのでかなり加減して引いた記憶がある。また、アクセルを急に踏むと、加速ポンプが作動するのでエンジンが回っていなくともガソリンがシリンダ内に供給される。また、ガソリンが吸い込まれるのはエンジンが元気に回っている場合であり、始動時程度の吸気圧(負圧)では、ガソリンの吸い込みが弱い。なので、チョークを引くと混合気が濃くなるが、始動時はガソリンの出も弱いからアクセルを煽るという。そこいらへんのからくりを知らないで、バタバタやってもエンジンは掛からない。そのあたりの説明がもうちょっとあると良いと思う。