もはや懐かしい! エンジン始動時の「ナゾ儀式」 “一発で始動”が当然ではない時代に必要だったドライバーの「テクニック」とは
「電子制御燃料噴射」から「電子制御スロットルバルブ」、そしてテクニックがよみがえる!?
そして現在の電子制御エンジンでは、ドライバーはイグニッションスイッチを回すだけです。
ガソリンの量も吸い込む空気の量もファーストアイドル回転数も、そしてエンジンが吸い込む空気の量も、コンピュータ制御で制御されるようになりました。
![エンジンスタートがプッシュ式に進化しても、往年のテクニックを駆使するときがある!?[画像はイメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2023/10/20221004_smart_key_engine_start_000.jpg?v=1664878712)
このうち、エンジンが吸い込む空気量は、電子制御スロットルバルブというバルブで調整されています。
ところが電子制御化が進んだはずの現代で、マニュアルチョーク式のテクニックが活用できるケースがあるのです。
この電子制御スロットルバルブは、円形のバルブです。
アイドリングの時など、エンジンが吸い込む空気の量が少ないときには、スロットルバルブはほとんど閉じられています。
この時に空気が通る通路の形状は、まるで新月から三日月の間程度の月のような薄い形状です。
スロットルバルブに汚れが堆積すると、通過できる空気の量が少なくなってしまいます。
するとガソリンの量だけが多くなってしまい、スパークプラグがガソリンで濡れてしまう、いわゆる「かぶり」現象を起こしてしまうのです。
エンジンの始動には失敗し、さらにエンジンをかけようとドライバーが何度もスタート操作をすると、さらにかぶりがひどくなってしまって、ますますエンジンを始動できなくなります。
結果、ドライバーは整備工場に救援を依頼することになるのですが、ロードサービスの車両が到着する頃にはガソリンが揮発して、エンジンを始動出来てしまうこともあります。
この時、エンジンを始動させるテクニックがあるのです。
いつもよりスターターモーターを長く回しているのにかからないな、と思ったら、アクセルペダルを中ほどまで踏み込みます。
すると、スロットルバルブの空気が通る面積が広くなって空気が余分に入り、ガソリンが薄められてかぶりを防げるのです。
そしてエンジンがかかったら、アクセルペダルを少し戻します。
また、スターターモーター回転中にアクセルペダルを全開にすると、ガソリンが供給されなくなり空気だけがエンジンに入ります。
かぶったスパークプラグを乾かすことが出来ますので、症状がひどい時にはこの方法を適度に併用します。
ただし緊急回避のためのひとつの方法ですので、絶対に無理はせず、ロードサービスなどの指示に従いましょう。
※ ※ ※
エンジンをいつでも無事に始動させるためには、メンテナンスが必要です。
スロットルバルブを清掃して汚れを取り除いたり、スパークプラグが火花を発生しやすくするために適度に交換するなど、少々専門的な作業です。
一般ドライバーにはハードルが高いことから、無理をせずに整備工場に依頼しましょう。
汚れを清掃した後、専用の機器を接続して車載のコンピュータのリセット作業が必要になることもあるので、なおさらです。
しかしいつでも整備工場の整備士が飛んできてくれるとは限りませんので、緊急対策のテクニックとして覚えておくと良いでしょう。

















