もはや懐かしい! エンジン始動時の「ナゾ儀式」 “一発で始動”が当然ではない時代に必要だったドライバーの「テクニック」とは

「電子制御燃料噴射」から「電子制御スロットルバルブ」、そしてテクニックがよみがえる!?

 そして現在の電子制御エンジンでは、ドライバーはイグニッションスイッチを回すだけです。

 ガソリンの量も吸い込む空気の量もファーストアイドル回転数も、そしてエンジンが吸い込む空気の量も、コンピュータ制御で制御されるようになりました。

エンジンスタートがプッシュ式に進化しても、往年のテクニックを駆使するときがある!?[画像はイメージです]
エンジンスタートがプッシュ式に進化しても、往年のテクニックを駆使するときがある!?[画像はイメージです]

 このうち、エンジンが吸い込む空気量は、電子制御スロットルバルブというバルブで調整されています。

 ところが電子制御化が進んだはずの現代で、マニュアルチョーク式のテクニックが活用できるケースがあるのです。

 この電子制御スロットルバルブは、円形のバルブです。

 アイドリングの時など、エンジンが吸い込む空気の量が少ないときには、スロットルバルブはほとんど閉じられています。

 この時に空気が通る通路の形状は、まるで新月から三日月の間程度の月のような薄い形状です。

 スロットルバルブに汚れが堆積すると、通過できる空気の量が少なくなってしまいます。

 するとガソリンの量だけが多くなってしまい、スパークプラグがガソリンで濡れてしまう、いわゆる「かぶり」現象を起こしてしまうのです。

 エンジンの始動には失敗し、さらにエンジンをかけようとドライバーが何度もスタート操作をすると、さらにかぶりがひどくなってしまって、ますますエンジンを始動できなくなります。

 結果、ドライバーは整備工場に救援を依頼することになるのですが、ロードサービスの車両が到着する頃にはガソリンが揮発して、エンジンを始動出来てしまうこともあります。

 この時、エンジンを始動させるテクニックがあるのです。

 いつもよりスターターモーターを長く回しているのにかからないな、と思ったら、アクセルペダルを中ほどまで踏み込みます。

 すると、スロットルバルブの空気が通る面積が広くなって空気が余分に入り、ガソリンが薄められてかぶりを防げるのです。

 そしてエンジンがかかったら、アクセルペダルを少し戻します。

 また、スターターモーター回転中にアクセルペダルを全開にすると、ガソリンが供給されなくなり空気だけがエンジンに入ります。

 かぶったスパークプラグを乾かすことが出来ますので、症状がひどい時にはこの方法を適度に併用します。

 ただし緊急回避のためのひとつの方法ですので、絶対に無理はせず、ロードサービスなどの指示に従いましょう。

※ ※ ※

 エンジンをいつでも無事に始動させるためには、メンテナンスが必要です。

 スロットルバルブを清掃して汚れを取り除いたり、スパークプラグが火花を発生しやすくするために適度に交換するなど、少々専門的な作業です。

 一般ドライバーにはハードルが高いことから、無理をせずに整備工場に依頼しましょう。

 汚れを清掃した後、専用の機器を接続して車載のコンピュータのリセット作業が必要になることもあるので、なおさらです。

 しかしいつでも整備工場の整備士が飛んできてくれるとは限りませんので、緊急対策のテクニックとして覚えておくと良いでしょう。

【画像】もはや懐かしい! 「チョークノブ」どこについてた!? 写真で見る(16枚)

買って終わりじゃない!購入後も進化する最新トヨタ

画像ギャラリー

1 2 3 4

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【2024年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

3件のコメント

  1. イマドキの車に標準装備されたオートライトは明るくても勝手に点灯してしまうので困ったものですが、逆にエンジンを切ると勝手に消える。そして少し前の車ならエンジン切ってもライトが点いているとピーーーという警告が鳴ってました。
    昔はそんなものが無いので、ライトの消し忘れに依るバッテリー上がりが多くて、ブースターケーブルを積んでいる車も多かったですね。それに今ほどバッテリーの性能は良くなくて、始動に手間取るとセルの音が徐々に元気がなくなりエンジン始動を失敗する人も。
    感覚的に音でアクセルワークとチョークをどのくらい引くかとか、指導前に何回アクセルを空踏みするかとか、始動中にアクセルをどのくらい踏むかとか色々と工夫した人も多いのでは。

    そういえば、今のエブリィって変な場所にバッテリーがあるので、バッテリーが上がると荷室床のカバーを剥がす必要があるとか。随分と面倒くさい場所にバッテリーを装着したものだと。後部座席下の無駄な空洞に配置してくれれば良かったのに。

  2. これチョ-クね。昔の車はすべてキャブレタ仕様。エンジン始動時、強制的に濃いガスをシリンダ内に送り込むためのもの。今は燃料噴射はすべて電子制御。だからチョ-クは不要に。
    このチョ-クを引っ張ったままだと真っ黒な排気が!そしてプラグがかぶる原因にも
    懐かしいね

  3. いわゆる旧車に乗って居たが「チョークを引いて」って簡単に書いているが、(車種にもよると思うが)実際に目一杯引くと、スロットルも多少上がるのでかなり加減して引いた記憶がある。また、アクセルを急に踏むと、加速ポンプが作動するのでエンジンが回っていなくともガソリンがシリンダ内に供給される。また、ガソリンが吸い込まれるのはエンジンが元気に回っている場合であり、始動時程度の吸気圧(負圧)では、ガソリンの吸い込みが弱い。なので、チョークを引くと混合気が濃くなるが、始動時はガソリンの出も弱いからアクセルを煽るという。そこいらへんのからくりを知らないで、バタバタやってもエンジンは掛からない。そのあたりの説明がもうちょっとあると良いと思う。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー