1億9000万円の「日産車」現る! なぜ億超え? 青く輝くベイサイド・ブルーの「R34」が相場を大きく上回ったワケ

約1億9000万円で落札されたR34…その理由を聞けば納得?

 この個体に隠された本当の価値は、ワイルド・スピードシリーズの4作目「ワイルド・スピード MAX」で実際に使用されたものであることにあります。

 シリーズのなかでも特にド派手なカースタントアクションが特徴の同作品では、R34によく似せた「スカイラインGT-T」がおもに使用されていました。

 ただ、1台だけ本物のR34も用いられており、この個体こそがその1台にあたります。

 ブライアン・オコナーを演じる故ポール・ウォーカー氏は、プライベートでも大のクルマ好きとして知られており、この個体についても、自身の好みを色濃く反映させたと言われています。

心臓部に置かれた「RB26DETT」エンジンは、インタークーラーなどの強化により、最高出力が550馬力へと高められている
心臓部に置かれた「RB26DETT」エンジンは、インタークーラーなどの強化により、最高出力が550馬力へと高められている

 たとえば、この個体のボディには、同年代の国産スポーツカーに見られるようなステッカーが一切貼られていません。

 これは、R34の美しいボディラインを強調したいというポール・ウォーカー氏の考えを尊重したものとされています。

 また、運転席のバケットシートはポール・ウォーカー氏に合わせてカスタマイズされているほか、作中に登場した大型のダッシュボードモニターも備わっているなど、まさに映画のなかから飛び出してきたかのような状態です。

 このR34は、今回オークションに出品される直前まで、ドイツ・ミュンヘンにある「ミュンヘン・モーターワールド」に展示され来場者の注目を集めていました。

 落札者の情報は明らかにされていませんが、最も有名な国産スポーツカーのひとつとして、今後も多くのファンを楽しませる存在となることが期待されています。

※ ※ ※

 海外オークションにおける日本車の最高落札額は、2022年3月に253万5000ドル(約3億5100万円)で落札されたトヨタ「2000GT」とされています。

 今回落札されたR34は、これに次ぐ日本車史上第2位の記録となるようです。

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