一時停止で「止まったつもり」になってない?「だろう運転」はNG! 事故を未然に防ぐ運転のポイントとは

事故が起きる原因と対策

 具体的に「交通事故を防ぐため」のポイントをI氏に聞いてみました。まず追突が起きる原因と、対策ポイントには何があるのでしょうか。

「一般的に追突事故の多くが、車間距離不足や安全不確認や脇見運転(スマホ操作含む)による制動(ブレーキ)操作の遅れが原因です。

 なかでも交通量の多い都市部の幹線道路などでは流れも早く、車間距離は短くなりがちです。

 クルマの操作は『認知』『判断』『操作』の繰り返しですから、実際の操作までタイムラグが発生します。

 ある目標物を前走車が通過した約2秒後に自車が通過する程度の車間距離がベストと言われています。周囲より多少広くても、安全性を確保した車間距離を心がけてほしいです」(教習所の元教官 I氏)

悲惨な事故の様子
悲惨な事故の様子

 次に、見通しの悪い交差点や脇道から幹線道路への合流などで起きる「出会い頭」の事故。これは主に停止線で止まらないことが原因だといいます。

「停止線の位置で止まったとしても、交差点の左右が見えないこともありますが、それでもまずは停止線で一時停止は忘れないことです。

 自分では止まったつもりで徐行したとしても、本線側のクルマや歩行者からすれば飛び出しているように見えます。

 最近は一時停止違反の取り締まりも強化されており、交通違反になる可能性もあります。

 確実に一時停止し、左右が見える位置まで徐々に出ていくようにすれば、出会い頭の事故はだいぶ防げると思います」(教習所の元教官 I氏)

 次に多いのが交差点などでの「右折時」「左折時」の事故。特に初心者がやりがちなのが、左折時に斜め後方から来る自転車やバイクなどの巻き込みです。

 加えて、断歩道などで渡ろうとしている歩行者より先に通過しようとすることで起きる接触事故も多いといいます。

「初心者や運転に不慣れの方にとって『内輪差』や『助手席側の車両感覚』はつかみにくいものです。

 これは慣れも必要な部分ではありますが、サイドミラーに後方からの自転車やバイクが見えても、そのまま強引に曲がろうとして事故が起きることもあります。

 また横断歩道はで渡りかけている歩行者がいる場合は一時停止して待つのがルールです。歩行者や自転車が来ていないか、しっかり目視することも大切です」(教習所の元教官 I氏)

「左折以上に事故が起きやすい右折は何かと焦る気持ちが生まれがちです。直進車よりも先行して右折しようとして起きる『右直事故』は有名ですが、むしろ怖いのは、右折時の歩行者の確認不足でしょう。

 対向車を意識するあまり、多くのドライバーは歩行者が見えているのに動静不注視(だろう運転)で先に行けると思いがちです。

 焦る必要はなく、むしろ周囲に道を譲ってから、余裕を持って右折するのが安全です」(教習所の元教官 I氏)

※ ※ ※

 事故を起こさないポイントは、どれも知っていて当たり前なことです。しかし、この当たり前ができていないときに、交通事故は起きるものなのです。

 常に緊張状態でいる必要はありませんが、「自分は(平均より)ちょっと運転が上手ではない」と意識し、「上手くないからこそ気をつけよう」という自己暗示を試してみるのも良いかもしれません。

【画像】これは悲惨… 事故で無残な姿になったクルマたち(16枚)

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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