「車検ステッカー」位置変更で防げるか!? 公用車の「車検切れ」全国の自治体で相次ぐ…一体何が原因なの?
職員以外が気づくケースも… 再発防止にはどう取り組むのか?
宇陀市以外に松江市の事例でもガソリンスタンドの店員から指摘を受けて車検切れが判明しており、職員以外の人が気づくケースも少なくありません。
また、公用車の車検に関係した予算要求をするにあたって公用車の一斉点検をしたところ発覚したというケースもあります。
公用車の車検切れが判明した自治体では再発防止の取り組みを進めており、宇陀市では職員が公用車に乗る前に車検ステッカーを確認するよう意識徹底を図るほか、車検終了後には必ず総務課への報告をおこなうこととしました。
そして、これまではそれぞれの部署で管理していた「専用車」と呼ばれる公用車を特定の部署で一元管理することについても検討するとしています。
そのほかの自治体においても車検の有効期間を記したシールをクルマの見えやすい場所に貼り付ける、整備業者とも公用車の情報を共有するといった対策を講じています。
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全国の自治体では公用車の車検切れが相次いで判明しています。
その原因の多くは関係職員の確認不足といったヒューマンエラーであり、車検切れをなくすためには担当者だけでなく複数の職員が車検の有効期限をチェックすること、またエラーが起こりやすい管理体制自体を見直すことが肝要といえるでしょう。
そうした中で国土交通省は2023年7月3日から、クルマのフロントガラスに貼られている車検ステッカーの位置を変更すると発表しています。
これは「運転者から車検証の有効期限をより見えやすくすることで、車検切れで運行するクルマを減らす」という狙いが背景にはあるため、今回のような相次ぐ車検切れの抑止に繋がるか、期待が高まります。
そもそも日本の車検制度も、二年に一度という期間も世界の中でガラパゴス状態にあると聞いています。政府は、国力の維持・増進を考え、国際的に利便性を担保できるシステムに切り替えるべき。現代の自動車の品質、及び、車両ごとの走行距離の違いを考えれば、現状の二年に一度画一的に要求する車検制度が時代遅れなのは明白です。また、車検ステッカーなどという前時代的なツールに頼るのではなく、QRコードなどを使用してスマホから簡単に情報が取れるシステムに変更すべき。政府のDX化の遅れは深刻ですよ。