オートマ「Nレンジ」いつ使う? 渋滞での利用はむしろ「危険」!? 「ニュートラル」を使ってはいけない「理由」とは

「足が疲れる」から「N」に入れるのが「超危険!」といえる理由とは

 わざわざNレンジに切り替えるもうひとつのケースは、「ブレーキを踏み続けると足が疲れる」という理由です。

 Nレンジに入れたあとパーキングブレーキをかけ、ブレーキペダルから足を外して待つ人は、特に年配の方に多く見られるようです。

渋滞停止時にシフトをNに入れ替えたことを忘れ、発進しようとアクセルを空ぶかしし、慌ててシフトをDに入れ不慮の事故を起こしてしまうケースも!?[画像:Adobe Stock]
渋滞停止時にシフトをNに入れ替えたことを忘れ、発進しようとアクセルを空ぶかしし、慌ててシフトをDに入れ不慮の事故を起こしてしまうケースも!?[画像:Adobe Stock]

 しかし運転中に足を外すことで緊張感が抜けるため、リラックスしすぎていると、Nレンジに入れていたのを忘れてしまうことも想定されます。

 そして発進しようとして「クルマが動かない?」とよりアクセルをべた踏みし、エンジンを思い切りぶん回しても動かず、その際にようやく気付いてシフトを「D」レンジへ入れてしまい、クルマが「急発進」してしまう……

 こうした不慮の事故が発生してしまうリスクも少なくありません。

 通称「プリウスミサイル」と揶揄される、電制シフト車で起こる事故のなかには、この手のミスが理由のひとつとも考えられており、Nレンジでの信号待ちはやはりオススメできません。

 また昨今は、クルマが完全に停止したあとに自動でブレーキ保持の状態が続く「オートブレーキホールド」機構が普及してきています。

 オートブレーキホールドが装備されているクルマならば、この点についても、わざわざNレンジへ入れるメリットはありません。

 また停止時にフットブレーキを踏み続けることは、「今はブレーキを踏んでいる」ということを自らに意識づける効果もあります。

もし激しい渋滞に巻き込まれ、しばらく車列が動く気配がない場合には、Nレンジではなく、Pレンジを使うほうが誤操作も減ります。

※ ※ ※

 いずれにせよ、信号待ちでのNレンジはさまざまなアクシデントが考えられるため、避けたほうが良いでしょう。

 Nレンジは原則、車両故障などの際、レッカー車によるけん引といった緊急時にのみ使うものと考えるべき、というのが筆者(くるまのニュースライター 河馬兎)の見解です。

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Writer: くるまのニュースライター 河馬 兎

お金と法律に関する複数の資格をもつWEBライター。好きな言葉は「お風呂」と「ハイボール」

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