時代に逆行!? EV「遠隔制御」義務化で気軽に充電「しづらくなる」? 電力ひっ迫とEV「普及」をつなぐ仕組みとは
電力需要のピーク時に「EV充電」はどうするべきか
では、話を日本でのEV充電器の遠隔制御義務化に戻します。
遠隔制御が必要になるのは、やはり電力の需給バランスが崩れることが予想されるような、多くの人が同じ時間帯で一斉に充電をするシチュエーションでしょう。
日本でも一時、電力ひっ迫を避けるため、電力会社による計画停電が実施されたことが記憶に新しいところですが、このままEVの普及が右肩上がりになれば、計画停電の可能性が高まるという発想を、多くの人が持つと思います。
例えば、EVを1日使用して自宅に夕方に戻り、すぐに充電しようとすると、そうした時間帯は夕食の準備や冷暖房、テレビなどの利用で多くの電力が必要となる時間帯と重なります。
そんな状況で電力ひっ迫におちいらないために、電力会社などエネルギー制御を担当する企業や団体が、ユーザーに事前通知をする形で充電時間帯の変更を促したり、または充電中の出力をコントロールすることが考えられます。
つまり、充電器を遠隔制御する必要がありますし、EVや充電器から得られるデータを総括的に管理するようなデータプラットフォームの構築も必須となるでしょう。
具体的にどのような対応をするのかについては、先の検討会で「EVグリッドワーキンググループ」(仮称)が近く、立ち上がることになっているといいます。
そこに自動車メーカーや充電器メーカー、一般送配電事業者、データプラットフォーマー、有識者などが参加し、協議を進めることになります。
あくまでも私見ですが、課題となるのはEV充電器で最も手軽で安価な、いわゆるEVコンセント(自宅や会社の交流100V/200VからEVに充電)への対応ではないでしょうか。
そのほか、経路充電における急速充電は、EVでの移動中、必要に迫られて行うものです。
これをもし遠隔制御する場合、ユーザーに対してこれをどう説明し、ユーザーが本当に充電制御を納得するのかといった点について、関係各位による協議の行方が気になります。
EV普及に向け、今後も分散型電源システムに関する法規制やシステム構築の行方については、注意深くウォッチしていきたいところです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
まあさ、BEV推進派はBEVが主流になっても電力は足りなくならないって言ってましたよね。
もしかして無知、それとも嘘つき。
大都市圏なんて猛暑の日なんか普通に家庭用電力でもギリギリ厳しいとか言ってるのに、これ以上EVを推進したら、電力会社がブレーカーに遠隔で出力制限を掛ける仕組みを導入してきますよ。
どうせなら生活に影響のない施設からブレーカーをバンバン落とせば良いでしょうけど。
パチンコ屋とか。競技場とか。公営賭博とか。都市部の看板の電気だってバカにはならないでしょうから、いずれは消費電力の少ないものに変わっていくのでしょうけど。
逆に光害という公害を考えれば無駄な看板や照明。時間帯により不必要な電気を切るなどの政策も盛り込んでもらわないと。空へ無駄に照射されている光は無駄そのものですから。