まさか「免許の更新講習」がオンライン化! 何が変わり、便利になった? 開始1年の反響&現状とは

免許更新時講習のオンライン化…利用者にとって手続きは便利になったのか?

 では実際のところ、利用者にとって手続きは便利になったのでしょうか。

 2023年3月、日本電気株式会社(NEC)がこのオンライン講習事業についてまとめた「更新時講習(優良運転者講習)のオンライン化に係る調査研究報告書」によると、2022年2月から12月および2023年1月から2月に対象の4道府県で更新手続きをおこなった110万4869人のうち、オンライン講習の受講者は11万7931人であり、全体の約10.7%でした。

 オンライン講習受講者を対象におこなったアンケートでは、「オンライン講習は対面での講習と比較して便利でしたか」との設問に対して「便利だった」「やや便利だった」と回答した人が全体の96.8%と高い結果に。

 さらに「今後も、オンライン講習を受講できるとしたら、利用しますか」との設問に対しては「利用する」と回答した人が99.5%と意外にも受講者の反応が良好であることが分かりました。

 具体的に良かった点に関しては「曜日や時間を問わず隙間時間に受講できた」、「感染症対策として自宅で受講できた」という意見のほか、「育児・妊娠中・産後だったので好きな時間・場所で受講できて助かった」という声も寄せられており、自分の生活スタイルに合わせて受講できることが大きなメリットといえます。

あくまでオンライン化するのは講習の部分だけ…それでも利用者にはメリットがある?
あくまでオンライン化するのは講習の部分だけ…それでも利用者にはメリットがある?

 そのように好意的な声がある一方で、改善すべき点として「更新ハガキにQRコードやURLを掲載してほしい」という意見や「動画が見切れる」、「音飛び、音割れがある」という動画の視聴に関する問題点を指摘する声もありました。

 また「アクセスが集中して先に進まない、エラーで停止した」という声も寄せられており、オンラインならではの不都合があることも判明しています。

※ ※ ※ ※

 現在4道府県で試行されている免許更新のオンライン講習については、予想以上に受講者の満足度が高い結果となりました。

 講習にはマイナンバーカードに対応した機器やオンライン特有の手続きが必要であるものの、スマートフォンやパソコンに触れることの多い現代ではそれほど難しいことではないのかもしれません。

 今後、オンライン講習の全国展開も見込まれるため、引き続き動向を注視することが大切です。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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