商用車のトヨタ「ハイエース」が“乗用車”として登録できる!? 「構造変更」でミニバン的に使えるメリットとは?

トヨタ「ハイエース」はさまざまな用途に使えるとあって、近年は趣味の道具を運ぶクルマとして使う人が増えています。ハイエースは一般的に貨物車登録になりますが、一部の販売業者が「構造変更」を実施したうえで乗用車登録を行っている例があります。どのようなメリットがあるのでしょうか。

ハイエースの「構造変更」って一体なに?

 トヨタの商用バン「ハイエース」は、圧倒的に広い室内空間が魅力的で、仕事からアウトドアレジャー・趣味まで、さまざまな用途で幅広く活躍するクルマです。
 
 通常、バンモデルは自動車検査証(車検証)の用途を貨物車の「商用」で登録しますが、これを「乗用」で登録する販売業者が存在します。「構造変更」を行うといいますが、どのような変更手続きをするのでしょうか。

商用車のハイエースを「乗用登録」するメリットは?
商用車のハイエースを「乗用登録」するメリットは?

 現在市販されているハイエースバンのなかでも、上級グレードとなるのが「スーパーGL(通称:7型ハイエース)」系です。

通常のハイエースバンは荷室の積載性を重視し、2列目の席は折りたたむことを前提とした簡素な造りとなっています。しかしスーパーGL系は、2列目に乗用車同等のしっかりした3人掛けシートを装着しているほか、内装の内張りもしっかり施されインパネまわりなども質感が向上しているのが特徴です。

それでいて、他のバンモデル同様に高い積載性も兼ね備えていることから、ミニバン代わりに使用するファミリーユーザーも多く、根強い人気があります。

 メーカー公式カタログによると「2リッター/2.7リッターガソリン」「2.8リッターディーゼル」は乗車定員が「2/5人」となっており、これは2列シート構成で前列2名・後席3名乗車が可能な状態です。

 現在日本では、夫婦2人と子供2人の4人家族が多く、家族だけの移動であれば問題ありませんが、祖父母・親戚までを乗せる場合は、乗車定員が2/5人では全員乗れません。

 そこで、新たに3列目のシートを追加したうえで、自動車検査証(車検証)の用途を「商用」ではなく「乗用」に変更することで、乗車定員を7人から10人乗りにすることを、ハイエースを取り扱う一部の販売・架装業者が実施しているのです。

 こうした販売店で新車のハイエースを購入して構造変更する場合、別途費用が発生しますが、3列目シートの装着は相場が50万から60万円ほど、オリジナルシートの場合は100万円前後の費用がかかるようです。

ハイエース スーパーGLはボディの全長が約4.7mから4.8mに抑えられ、アルファードなどの大型ミニバンに比べコンパクトなサイズが特徴ですが、その使い勝手のなかで多人数乗車が可能となることから、こうした仕様を求めるユーザーが少なくないようです。

※ ※ ※

 ハイエースの「バン DX」というグレードは乗車定員が「3~6人」となっており、2列シートで前後3名ずつ乗車することできます。

 このバン DXの標準ボディには「3人」乗車定員の設定があり、これは前席で3名乗車ができるシート構成です。さらに、「3/6/9人」の乗員定員設定もあり、これは3列シートで各3名ずつ乗車可能なグレードとなります。

 一方でハイエースシリーズには、メーカー純正の乗用登録車である「ハイエースワゴン」も存在しています。

「ワゴン グランドキャビン」や「ワゴン GL」というグレードは乗車定員が10名と同じですが、それぞれシートの構成などが異なります。

 ワゴン グランドキャビンは4列シートで、運転席より「2・2・3・3人」と座席を設定、ワゴン GLも同じく4列シート構成になりますが、運転席より「2・2・2・4人」という座席設定になります。

 同じ10人乗りグレードでもさまざまなシート構成が選べることもハイエースの特徴です。

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トヨタ ハイエースバン スーパーGL(標準ボディ・2WD ディーゼル車) 内装・インパネまわり[写真は2020年一部改良時のモデルで最新モデルとは細部が異なります]
トヨタ ハイエースバン スーパーGL 後席シートアレンジ
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トヨタ ハイエースバン スーパーGL 特別仕様車“ダークプライム II”[写真は2018年8月モデル追加時のモデル/最新モデルとは細部が異なります]
トヨタ ハイエースバン スーパーGL 特別仕様車“ダークプライム II”[写真は2018年8月モデル追加時のモデル/最新モデルとは細部が異なります]
トヨタ ハイエースバン スーパーGL 特別仕様車“ダークプライム II”[写真は2018年8月モデル追加時のモデル/最新モデルとは細部が異なります]
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