ETCの進化版「ETCX」って一体何? 高速道路“以外”で利用可能な新たなキャッシュレス決済とは?
街中のクルマ関連施設でもETCXが使えるようになる?
新しいキャッシュレス決済サービスであるETCXへの期待は大きいのですが、一般的なキャッシュレス決済と違い、あくまでクルマ関連の施設での利用という縛りがあるので、どこまで普及するのかは未知数です。
現時点では、有料道路の料金所に加え、ETCXによる決済ができるガソリンスタンドもまだわずかしかありません。街中のガソリンスタンドで導入されるのかどうかも未定です。
そこで、都内のガソリンスタンドの店長に導入予定はあるのか聞いてみました。

「グループとして導入を検討するかもしれないという話は聞いたことがあります。ただしコロナ禍による利用者の減少、ハイブリッド車の普及やEVの台頭などで、いまガソリンスタンドの経営はかなり厳しい状況です。
仮にユーザーが搭載しているETC車載器でETCXが使用できたとしても、ガソリンスタンド側に必要なアンテナの設置費用をどう捻出するのかなど、問題は多いようです」
クルマがメインの移動手段となっている地域ではドライブスルー型店舗も多いでしょうが、都市部にはそもそもドライブスルー自体が少なく、スマホでのキャッシュレス決済の導入が先行していることもあり、商業施設での普及は遅れそうです。
一方で、商業施設以外でクルマユーザーには欠かせない駐車場での決済には有効なのではないかといいます。
「それでも、通行料金を現金で払っている有料道路はもちろん、駐車場の支払いなどは普及が進みそうです。
とくに有料駐車場は、料金支払機のためにお金を出す手間も省けますし、入口と出口は必ず通過するのでアンテナとの送受信もしやすいと思います」(先出の都内ガソリンスタンド店長)
確かに有料道路の通行料だけでなく、駐車料金の支払機は中途半端に手が届きにくい高さだったりしますし、わざわざ小銭を探す手間も省けます。まずは駐車料金の支払いからETCXを普及させるのは良いアイデアかもしれません。
※ ※ ※
2021年7月1日からは、静岡県沼津市から下田方面へ向かう「伊豆中央道」「修善寺道路」で地方有料道路では全国初のETCX本格導入がなされています。
地域の僅かな区間とはいえ、どれだけETCXのロゴがある施設や店舗が増えるか、その成り行きを見守りつつ、今後さらに便利なサービスが登場することに期待します。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。














