駐車場もトイレもあるけど「道の駅」じゃない! 全国11か所でスタートした「MIZBEステーション」って何?

2023年3月、全国11か所の施設が「MIZBEステーション」として初めて選定されました。駐車場やトイレなどがあり道の駅と似ていますが、どのような特徴があるのでしょうか。

災害時は復旧活動拠点に

「道の駅」が誕生30年を迎える2023年、新しい種類の施設「MIZBEステーション」が誕生しました。どのような機能を持つのでしょうか。

山吹地区MIZBEステーションの整備イメージ(画像:国土交通省)
山吹地区MIZBEステーションの整備イメージ(画像:国土交通省)

 道の駅は1993年4月22日、全国103か所の施設が登録される形で誕生しました。

 それまで一般道で休憩するには、民間経営のドライブイン(飲食店)に入るのが一般的でしたが、新登場した道の駅は、高速道路に設けられたSA・PAのいわば一般道版として、24時間使える駐車場やトイレ、情報提供施設などが基本的に備わっているのが特徴。

 また、地域連携も不可欠で、地元の特産品直売所や名所紹介ブースなどを設けているところもあれば、温泉やキャンプ場といったレジャー施設を併設しているところもあります。

 道の駅は毎年のように増え続け、2023年2月時点で1204か所に上ります。

 そして、そんな道の駅と並んで2023年3月に登場したのがMIZBEステーションです。

 国土交通省が登録制度を新設し、第1弾として既存9か所と新設2か所をMIZBEステーションとして選定しています。

 MIZBEステーションは、駐車場や休憩施設、地域連携施設がある点は道の駅と同様ですが、“災害時”に重点を置いているのが特徴です。

 復旧資材の備蓄やヘリポートなどで水防活動の拠点となる河川防災ステーションのうち、自治体などと連携し地域の土地利用と一体となって、平時に多くの利活用が見込まれる施設をMIZBEステーションに選定しています。

 平時は地域活性化や賑わいの創出につながるレクリエーション・地域振興施設、文化・教養施設などが機能を発揮しますが、一転して災害時には、緊急復旧活動や水防活動を迅速に展開するための拠点に変わります。

 災害時と平時両面の機能をあわせ持つのが、MIZBEステーションの特徴です。

 第1弾として2022年度に登録されたMIZBEステーションは次の11か所です(順に名称、所在地、河川)。事業主体はいずれも国土交通省と所在地の市町です。

●新規整備(2か所)
・飯山地区MIZBEステーション:長野県飯山市、千曲川
・山吹地区〃:長野県高森町、天竜川

●既存施設(9か所)
・閖上地区MIZBEステーション:宮城県名取市、名取川
・二ツ井地区〃:秋田県能代市、米代川
・佐原地区〃:千葉県香取市、利根川
・増穂地区〃:山梨県富士川町、富士川
・三条〃:新潟県三条市、信濃川
・早田地区〃:岐阜県岐阜市、長良川
・塚本地区〃:静岡県函南町、狩野川
・名張川〃:三重県名張市、名張川
・中鳥地区〃:徳島県美馬市、吉野川

 例えば「山吹地区MIZBEステーション」は、平時は高森町が整備するレストランやキャンプ場、カヌー、ビーチバレー、スケートボード、サイクリングなどのスポーツの活動拠点として、地域活性化や賑わいの創出が期待されています。

 一方で国土交通省は根固めブロックなどの復旧用資材の備蓄、ヘリポートなどの整備を進め、災害時は緊急復旧活動や水防活動の拠点となります。

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