シートベルトが「ダラ~ン」巻き戻らない不具合発生! 意外な理由が!? 簡単にできる解消法とは
不具合の原因は意外なことだった!
シートベルトにまつわるトラブルについて、神奈川県のH整備士に聞いてみました。
「このシートベルトがダランと伸びきってしまう不具合は、リトラクター(巻取り装置)の故障ではなく、ショルダーアンカーやストラップ自体に原因があることが多いです」
しかももっとも多いのはショルダーアンカー部分で、折り返す構造によって起きる摩擦が関係しているといいます。一体どういうことなのでしょうか。
「まず多いのが、ショルダーアンカーの擦れる部分に汚れが溜まって滑らなくなることです。
ストラップは約300本ものポリエステル繊維が編み込まれ、約3tもの荷重に耐えられるとされています。
連日使用するたびにショルダーアンカー部分に荷重がかかり、擦れてしまうため、ストラップが傷んでしまうことがあり、そうなると繊維の一部が溶けたりホコリなどが溜まったりで真っ黒に汚れてしまいます。
またストラップ自体も度重なる使用や経年で繊維がほどけてしまったり、毛羽立ってしまうことがあります。この毛羽立ちがアンカー部分に引っかかってしまい、うまく巻き戻らなくなることでダランと伸びてしまうことがあります」
シートベルトが伸びきってしまうのは大きな故障ではなく、ショルダーアンカー部の汚れかストラップの毛羽立ちが多いという訳でした。
「あとは一度事故などを起こしてしまうと、プリテンショナーがうまく作動しないこともあります。その場合はシートベルト全体を交換する必要があるのですが、一般的な使い方では故障ではなく、汚れなど単純な不具合だと思います」(H整備士)
では、この不具合を解消するにはどうすれば良いのでしょうか。
「汚れを落とすと良いでしょう。ショルダーアンカー部のストラップが擦れている箇所を持ち上げると、ポリエステル繊維が擦れて黒く汚れているはずです。
この汚れはポリエステル繊維だけでなく、乗員の汗や皮脂などが付着してできた汚れも含まれます」
シートベルト自体もかなり汚れているといえますが、シートベルトは洗えるのでしょうか。
「シートベルトは家庭用の中性洗剤で洗えます。手順は、シートベルトを目一杯引き出し、リトラクターで巻き戻らないようにクリップなどで固定します。
洗剤を水で薄めてウエスなどでゴシゴシと拭くだけでかなり汚れが落ちると思います。もちろんショルダーアンカー部の黒い汚れも一緒に洗浄してください。
あとは水で固く絞ったウエスなどで再度拭き、乾燥させればかなりスムーズに動くようになるはずです」(H整備士)
ただし、ストラップ自体の毛羽立ちが原因でスムーズに動かない場合は、やはり新品に交換する方法が安全だといいます。
「純正のシートベルトに交換するのも良いのですが、せっかくなのでカラーを変えてみるのもアリです。
ただし車種によってはリアシートを外さないと交換できなかったり、プリテンショナーには火薬が内蔵されていて通電している箇所でもあるので、信頼できるショップや整備工場にお願いすると良いでしょう」(H整備士)
確かに、新品に交換するなら、純正色だけでなく好きなカラーのシートベルトを取り付けるのも良いアイデアです。インテリアの印象もかなり変わりそうですし、試す価値はありそうです。
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