近付く下呂! 濃飛横断道「堀越峠道路」事業化へ 東海北陸道~国道41号の“東西軸”ヘアピン峠道を回避

国土交通省が、国道256号堀越峠道路について新規事業化する方針を固めました。

郡上八幡IC~下呂の所要時間が短縮

 国土交通省は2023年3月3日、国道256号「堀越峠道路」について新規事業化する方針を固め、発表しました。

濃飛横断道の金山IC(画像:岐阜県)
濃飛横断道の金山IC(画像:岐阜県)

 堀越峠道路は、岐阜県郡上市の八幡町初納から八幡町入間までの延長5.9kmを結ぶバイパスです。

 堀越峠を越える国道256号の現道はつづら折りの続く険しい山道であり、雨量規制区間や積雪によるスタックなどもあわせて、通行リスクの高い路線です。

 実際に年平均8回のペースで通行止めが発生していますが、その度に郡上市の和良地区から郡上市街地へ行けなくなり、約850世帯が孤立しています。

 堀越峠道路は、このような課題を解消するために計画されています。ルートは、峠の北側へ迂回しながら3本のトンネルで通過します。道路は、幅員8m、2車線の計画です。

 このように堀越峠道路は郡上市内の移動を改善する機能が期待できますが、この道路はそれだけにとどまりません。岐阜県内を走る地域高規格道路「濃飛横断道」に組み込まれる構想があります。

 濃飛横断道は、東海北陸道の郡上八幡ICを起点とし、下呂市を経由して中央道の中津川西ICに至る延長約80kmの道路です。

 これまでに開通しているのは、和良IC~金山IC~下呂IC間の約8.1kmのみ。この区間は、比較的長い和良金山トンネル(1850m)とささゆりトンネル(4877m)で郡上・下呂の両市を結んでいます。

 これに堀越峠道路が加わると、東海北陸道と国道41号を結ぶ東西軸としては、東海環状道と中部縦貫道(高山清見道路)のほぼ中間に位置することになり、道路網の機能が強化されます。

 国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所によると、郡上八幡ICから下呂(国道41号・257号の帯雲橋交差点)までの所要時間は、現道の62分から、開通後は50分に短縮される見込みです。

 また、濃飛横断道の終点となる中津川市では、リニア中央新幹線の岐阜県駅(仮称)の建設が進んでいます。

 これらが完成したら、東京からリニアで岐阜県駅まで来て濃飛横断道に乗り継ぎ、高速交通網の空白地帯である下呂方面へ速くアクセスできるようになります。

※ ※ ※

 国土交通省は2月28日、新規事業候補箇所を発表し、さらに3月3日、堀越峠道路を候補箇所に追加。都道府県などへの意見聴取を始めるとともに、2023年度予算に向けた新規事業採択時評価の手続きに着手しています。

 今後、第三者委員会などの意見も踏まえて評価結果を取りまとめ、年度内をめどに新規事業として採択するか決める方針です。

【画像】6連続「鬼ヘアピン」峠道を横目にトンネルで通過する濃飛横断道「堀越峠道路」を地図で見る(14枚)

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