“ほぼ新品”の訳あり中古車「未使用車」お得に買えるってマジ!? 購入時に注意すべきことはある?
中古車販売店だけでなく、新車を扱うディーラーでもたまに「登録済未使用車」を見かけることがあります。そもそも、未使用車とはどのようなクルマなのでしょうか。また、購入する際のメリット・デメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
ナンバー登録を済ませた実質的な新車ともいえる「未使用車」
中古車販売店だけでなく新車を扱うディーラーでも、たまに「登録済(届出済)未使用車」というクルマが販売されていることを見かけます。
未使用車とは「ナンバー登録を済ませただけで手放されたクルマ」です。走行距離はわずか数十km程度、一度もユーザー所有になっていない、ほぼ新車状態の中古車のことをいいます。
以前は「新古車」とも呼ばれていましたが、「ユーザーが購入・登録したものの、わずか数か月で手放したクルマ」などが新古車として販売されることもありました。
購入者の混乱を防ぐ目的で、自動車公正取引協議会加盟店が定める「自動車公正競争規約」によって、現在では「登録済(届出済)未使用車」という表記で統一されるようになっています。ただし協議会未加入店では新古車の表記を使用しているところもあるようです。
中古車販売店に未使用車が並ぶのはともかく、新車ディーラーなどでも見かけるのは、この未使用車を生み出している張本人だからという理由があります。
なぜなら、決算期や販売強化月など、新車ディーラーにとってできるだけクルマを売らなければいけない時期があるからです。
インセンティブ(売上報奨金)を得るためには一定の台数を販売・登録しなければならず、販売実績を稼ぐためには目標台数までの残りを自社で購入したり、関連企業に購入してもらったりすることでノルマを達成するのですが、なかには売れ残って在庫車になる車両もあり、こういったものが未使用車として販売されるのです。
ナンバー登録を済ませて自社内で販売実績としてカウントし、改めて「程度極上の中古車」として販売しているというわけですが、登録だけされた状態で公道を走行していない車両ということもあり、中古車としては狙い目の優良物件ともいえます。
では未使用車は中古車市場でどれくらいの数が出回っているのでしょうか。横浜市の中古車販売店のY店長いわく、その数は非常に少ないそうです。
「一般的な中古車業者の仕入先となる業者オークションでは、なかなか未使用車は出品されません。というのも、登録を済ませたディーラーの各店舗がそのまま『お買い得車』として店頭で販売してしまうことが多いからです。
インセンティブの関係で多くの台数を売る必要がある車両や、モデル末期の最終型などでごく稀に出てくることはありますが、その場合は新車で購入するのとほぼ変わらなかったり、なかには新車よりも高い(プレミアムな)価格になることも多く、ユーザーにとっても我々のような中古車販売店にとってもあまりメリットがないものもあります」
新車は出荷時に用意される「完成検査修了証」(メーカーの厳正な検査をパスした証明書)があれば書類だけで新規登録が可能ですが、この完成検査修了証は9か月で期限が切れてしまいます。
期限切れになると改めて運輸支局などに持ち込んで検査をおこなってから登録する必要があるのですが、「それならば手続きが煩雑になる前に売ってしまおう」という事情もあり、お買い得車として販売されることがあるのだそうです。
ただし現在の状況では、昨今の半導体不足の影響による新車納期の遅れや、以前のようにディーラーで在庫を抱えない販売スタイルへの移行もあって、未使用車の数自体が少なくなっています。
「一般的な中古車ですと、1年前の登録、または数千km程度の高年式車両は割と流通しているのですが、未使用車はディーラー系列の中古車店などにごく稀に展示している程度。
そもそも未使用車は生産工場からモータープールまで、またはディーラーの敷地内程度しか走行していない、ほぼ納車直後の新車に近いコンディションですので、希望の車種で納期優先というのであれは十分狙う価値はあると思います」(中古車販売店 Y店長)
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。