え!? ウォッシャー液が「手動」!? 海外では「足踏み式」も! 意外と知らない「ウィンドウウォッシャー」の歴史

クルマの窓をきれいにしてくれるアイテム「ウィンドウウォッシャー」ですが、かつては「手動式」の時代もあったのだとか。知っているようで知らないウィンドウウォッシャーの歴史を紹介します。

専用のウォッシャー液を使わないと「危険」なケースも!?

 クルマに乗っていて雨天に遭遇すると、ワイパーを作動させます。そのワイパーとセットになっているのが、フロントウインドウにウォッシャー液を噴射させる「ウィンドウウォッシャー」。ウォッシャー液が入っていないと車検に通らないなど、実は安全運転には必須な装備です。
 
 ではこのウィンドウウォッシャーは、いつ頃からクルマに備わり、どんな進化を遂げてきたのでしょうか。

窓の汚れがひどいと、夜間や悪天時などの視界が妨げられます。こうした時に活用できる心強い味方が「ウィンドウウォッシャー」です[画像はイメージです]
窓の汚れがひどいと、夜間や悪天時などの視界が妨げられます。こうした時に活用できる心強い味方が「ウィンドウウォッシャー」です[画像はイメージです]

 クルマは走行を繰り返すことで、車体やフロントウインドウに、砂やホコリ・虫、水アカなどの汚れが蓄積していきます。

 そのため、雨が降った際にワイパーを動かしただけでは、汚れを取り払うことができないことがあります。また雨上がりや積雪後で濡れている路面を走行中、前の車が跳ね上げた水しぶきを払うことも。

 そんな時、ウィンドウウォッシャーが活躍します。

 ウォッシャー液には、汚れ落とすための洗浄剤(界面活性剤など)が含まれていますが、実はそのほかにも、凍結、ワイパーのビビリ音、油膜、泡立ち、ウォッシャー液自体の腐り、ノズルの目詰まりなどを防止するため、アルコール類、防腐剤・防錆材などが成分に含まれています。

 例えば、クルマ用に適さない家庭向け食器用洗剤などをウォッシャー液に混ぜてしまうと、油膜や視界不良の原因にもなりかねず危険ですので絶対に避けましょう。

 ウォッシャー液がなくなった際には水道水で代用することもできますが、汚れの落ちが悪くなり、水が凍る可能性も高まるほか、長期間タンクに入れておくと腐ってしまうリスクも。

 さらにミネラルウォーターでは、ミネラル成分が車体の塗装にシミを作ったり、雑菌や藻などがタンク内やパイプに繁殖してしまうため、注意が必要です。

 そんなウインドウウォッシャーの始まりは、今から90年前にさかのぼります。

 ウィンドウウォッシャーが世界で初めて誕生したのは、1930年代。アメリカのTrico社が開発しました。

 1950年代にはウォッシャー液の噴射と同時にワイパーが数回作動する、という現在と同じメカニズムも登場。このシステムや、1920年代前半に実用化された自動車用ワイパーも、Trico社によるものでした。

 ウィンドウウォッシャーの動力は、現在では主にモーターが担っており、ワイパーレバーを手前に引いたり、ワイパーレバーの先端を押すことで作動するパターンが多く見られます。

 しかし、かつては電動ではなく手動式だった車種もあります。ボタンを押すことで、ポンプから押した分だけウィンドウウォッシャー液が噴射するタイプです。

 そのため、連続して噴射するには数回押さねばならず、押す力もそれなりに必要でした。

 変わった機構としては、フォルクスワーゲン タイプ1(通称「ビートル」「かぶと虫」)やタイプ2(ワーゲンバス)などの空冷モデルでは、タンクに加圧した空気や、スペアタイヤの空気をウォッシャー液噴射に充てていました。

 このほか、ルノー「4(キャトル)」や初代アルファ ロメオ「ジュリア」、2代目フィアット「500」(ヌォーヴァ)、初代アルピーヌ「A110」など、足踏み式のフットポンプを備えていたクルマも、1970年代頃まで数多く存在しました。

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