日本のメーカーでも、国内では正規販売されていない海外専売車種を設定しているケースは数多く存在します。
　
　そういったクルマが欲しい場合は、通常であれば代理輸入と日本の法規に適合する改造を行ってくれる専門業者に依頼するなどの方法しかありませんが、奈良県のホンダディーラーが日本では販売されていないアキュラ「MDX」を輸入し販売しているようです。

　奈良県・京都府・滋賀県の3県でホンダの販売店や自動車整備工場などを運営するホンダネット京奈は、2023年1月5日にホンダの海外向け高級ブランド「アキュラ」の最上級SUV、MDXの販売を行うと発表。2月下旬現在も販売しているようです。

　MDXは2000年4月に開催のニューヨークモーターショーでデビューした高級SUV。初代モデルは2003年から2006年まで日本でも販売されていましたが、2代目以降は国内では展開されず、北米市場向けSUVとして進化を続けてきました。

　現行MDXは4代目モデルとなり、2020年12月に発表。

　ボディサイズは全長5039mm×全幅1999mm×全高1704mmで、トヨタ「ランドクルーザー」（全長4950-4985mm×全幅1980-1990mm×全高1925mm）よりも全長・全幅が大きい3列シート7人乗りのSUVです。

　エクステリアはアキュラ車のアイデンティティである大型の「ダイヤモンドペンタゴングリル」や「ジュエルアイLEDヘッドライト」を採用し、緻密でありながらも大胆なデザインとなっています。

　インテリアは「アキュラ・プレシジョン・コックピット」を取り入れ、アキュラ車最大となる12.3インチの液晶メーターを装備するなど、高級感と先進性を演出。

　今回ホンダネット京奈が販売するMDXは、北米では5万7100ドル（約766万円）で販売されている上級グレード「Aスペック」。パワートレインは最大出力294馬力・最大トルク362Nmを発揮する3.5リッターV型6気筒エンジンに10速ATを組み合わせ、4輪の駆動力を自在にコントロールする4WD機構「SH-AWD」を搭載するグレードです。

　ホンダが正規で輸入していないMDXは「並行輸入車」という形で販売。並行輸入車とは「海外にて販売されている車を輸入車販売店や輸入代行会社が独自に輸入し、販売している車のこと」だとホンダネット京奈は説明します。

　しかし国外仕様となるため、ライト類などが日本の保安基準に適合しておらず、改造する必要があります。

　これについてホンダネット京奈は以下のように説明しています。

「海外仕様のままでは、ナンバープレートを取得し公道を走行することはできません。

　弊社では、長年国内ホンダディーラーとして培ったノウハウを活かすため、ホンダの海外ブランド『アキュラ』の並行輸入車のみを取り扱っており、日本の保安基準を満たす車両改善を全て実施しております」

　今回輸入されたMDXでは主に「2・3列目シートベルト警告灯」、「右サイドカメラ＆モニター」、「オートライト固定」、「ナンバープレート取付台」といった改造を実施。

　改造後は保安基準に適合しているかの試験を行い、さらに登録作業も実施されてから販売されるため、購入後はそのまま乗ることができます。

　また、通常日本では展開されていないクルマであるため、通常のディーラーであれば保証が受けられないほか、整備も断られる可能性もあります。

　しかしホンダネット京奈ではそんな並行輸入車でもアフターサービスを受けることができ、有料の延長保証も加入可能。

　現在販売中のモデルは1698万円で、さらに今後「マジェスティックブラックパール」の外装に「エボニー」内装仕様のMDXも発売されると公表されています。

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　通常国外でしか販売されていないモデルをディーラーが並行輸入するケースは珍しく、保証やメンテナンスを受けることができるのは大きな魅力といえそうです。

　国内で販売されるSUVとしては価格が高めの設定となっていますが、どうしてもMDXが欲しい人や、他の人と絶対に被りたくないレアなクルマに乗りたい人にはピッタリかもしれません。