うわ、汚い…「輸入車のホイール」なぜ真っ黒になる? 汚れを防いでキレイを保つ方法とは
輸入車のホイールを見ると、黒く汚れているものを目にすることがあります。輸入車特有の事情があるようなのですが、一体どういうことなのでしょうか。
輸入車乗りを悩ませる「ホイール汚れすぎ問題」
輸入車は、国産車にはない操作感やフィーリング、個性的なデザインや高級感あふれるインテリアなど、独特の魅力を持っています。現在では機械的な信頼性も向上したことから「壊れやすい」というイメージも払拭され、純粋にクルマに惹かれて乗っている人も多いでしょう。
しかし「輸入車あるある」ともいえる、維持するうえで悩ましい問題があります。それは、ホイールがすぐに汚れてしまうという問題です。
せっかく丁寧に洗車してホイールまでピカピカにしたのに、少し走っただけで黒い煤のような汚れが付着してしまうのです。
ボディはきれいなのにホイールが真っ黒になっている輸入車を見かけることがありますが、なぜすぐにホイールが汚れてしまうのでしょうか。
この黒い汚れの正体は、「ブレーキダスト」と呼ばれる、ブレーキを使用することで「ブレーキパッド」が削られて出るカスです。
ブレーキは走行しているクルマの速度を落としたり停止させるための制動装置です。「ブレーキキャリパー」と呼ばれる装置に取り付けられたブレーキパッドで、ホイールと一緒に回転している「ディスクローター」をペダルの踏力に応じて両側から挟むことで摩擦力を生み出し、速度を調節できる構造になっています。
そういった構造上、ブレーキパッドは摩擦によって徐々に削れる構造となっており、その細かい削りカスは強力な摩擦力によって熱を帯びているため、飛散してホイールにこびりついてしまうのです。
しかし国産車のホイールはあまり汚れないのに、輸入車はすぐに汚れてしまうのには各国の交通事情が大きく影響しており、国産車と輸入車ではブレーキパッドに使用される素材そのものが違うことが最大の原因といわれています。
日本の高速道路の最高速度は一部で時速120kmに設定される区間もありますが、たいていは時速100km制限となっています。さらに市街地では一般道の時速60kmで走行できることが少なく、信号や渋滞などで停止と発進を繰り返すのが日常です。
そのような道路事情で優先すべきは「耐久性」と「静粛性」、そして「防汚性」となります。そのため国産車の多くは、ブレーキダストが少なくて耐久性に優れた「ノンアスベスト素材」のブレーキパッドを採用しています。
一方で、海外、特に欧州では高速道路の制限速度が高く設定されており、ドイツの「アウトバーン」などは一部で速度無制限の区間もあります。コンパクトカーでも時速140km巡航は当たり前、ときには時速200kmオーバーからの急減速もありうる道路環境で、求められるのは「強力な制動力」です。
そもそもヨーロッパの人たちにとって「クルマは機械、壊れたり消耗したら交換すれば良い」という思想がベースにあり、「確かな制動力のためにはブレーキパッドが削れてカスが出るのは問題なし。むしろブレーキパッドが削れてしっかり仕事をしている」という認識なのだそうです。
輸入車(特に欧州車)の多くは、ノンアスベスト素材に約30%程度のスチールを混合させた「セミメタリック(ロースチール)素材」のブレーキパッドを採用。良く削れて良く効くブレーキパッドだからこそ、ホイールがすぐに黒くなるというわけです。
私見ですが、車両のコンセプトと道路事情の違いかなと思慮します。記事にも有りますが、そもそもディスクローターも消耗品との考えから、摩耗は国産車より多めと言えるし、ゴーストップの頻度は彼の国とは桁違いだと思います。その差が、ホイールの汚れに繋がって居るのだと思いますが、メーカさんは日本の道路事情に合わせた改良が進んでいない(?)のかな、とも思います(作る方にも言い分が有ると思いますが、、、)。