三菱の“ゴツい顔”が新型軽「デリカミニ」から変化? 従来型は3年で終了! 新モデルへ一新する狙いとは

三菱は新型軽「デリカミニ」を2023年5月に発売します。従来の「eKクロススペース」から新型デリカミニに切り替わるのですが、そこにはどのような狙いがあるのでしょうか。

新型デリカミニから三菱の顔が変わる!?

 昨今は軽自動車が売れ筋になり、2022年に国内で新車として販売されたクルマの39%を占めており、新車として販売された軽乗用車のうち、約50%が全高を1700mm以上に高めたスーパーハイトワゴンとなっています。
 
 スーパーハイトワゴンは各メーカーが力を入れているジャンルで、国内で新車販売台数がもっとも多いホンダ「N-BOX」のほか、ダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」、日産「ルークス」、三菱「eKスペース/eKクロススペース」といったモデルがラインナップされています。

「eKクロススペース」に代って導入される三菱新型「デリカミニ」
「eKクロススペース」に代って導入される三菱新型「デリカミニ」

 これらのスーパーハイトワゴンのなかで、新型車として注目されるのが2023年1月13日に予約受注を開始した三菱「デリカミニ」です。前述の通り三菱には、ベーシックな「eKスペース」と、SUV風の「eKクロススペース」がありますが、このうち、eKクロススペースが新型デリカミニに変更されることになりました。

 三菱の販売店によると、新型デリカミニは予約受注が2023年1月13日に始まっています。eKクロススペースの生産は3月末までに終了し、入れ替わるように新型デリカミニが5月に発売される予定です。

 この新型デリカミニは、eKクロススペースをベースに開発されたモデルです。つまりeKクロススペースがマイナーチェンジを実施して、フロントマスクなどを変更して車名も変わると考えれば良いでしょう。

 ただしeKクロススペースが登場したのは2020年2月です。最近はマイナーチェンジやフルモデルチェンジを実施する周期が長くなっているため、発売から3年目の段階で車名まで変更するのは早すぎるようにも感じます。

 また、最近の三菱車は、大半の車種がフロントマスクを共通化しています。ボディの側面がフロントマスクまで回り込むような「ダイナミックシールド」で、その回り込んだ部分にランプを縦方向に配置しています。

 新型デリカミニのフロントマスクはもちろんカッコ良いのですが、ダイナミックシールドを採用するほかの三菱車とは少々異なります。

 ミニバンの「デリカD:5」にデザインが近いのは、新しいデリカミニよりも、従来のeKクロススペースでしょう。三菱車に共通するファミリーフェイスがようやく完成したのに、新型デリカミニではほかの車種とは違うテイストのフロントマスクに変更されるというわけです。

 車名についても同様に、三菱の軽自動車は「eKシリーズ」で統合され、電気自動車も「eKクロスEV」を名乗っています。外観もあえてeKクロスと共通化して、三菱らしさを強調しているのに、新型デリカミニはフロントマスクを含めてeKシリーズから逸脱しました。

 この点について三菱に尋ねると、以下のように返答されました。

「デリカミニのフロントマスクもダイナミックシールドの発展型に位置付けられます。従来と異なるのは、すべてのフロントマスクを同じ形状にするのではなく、車種ごとの個性を大切にすることです。これは新型デリカミニに限ったことではなく、海外市場まで含めた三菱のブランド戦略です」

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