外環道「東名~湾岸」ルートどうする? 昭和島か大師か…示された終点案はどちらも一長一短
外環道・東名高速~湾岸道路間の計画検討協議会が開催。具体的な計画がないこの区間は、どのようなルートになるのでしょうか。
川崎縦貫道路と一本化する?
外環道(東京外かく環状道路)で、いまだ計画が具体化されていない東名高速~湾岸道路間は実現するのでしょうか。
2023年2月1日、国土交通省内で、必要性や概略ルートなどを検討する会議がおよそ3年半ぶりに開かれました。
外環道は、都心からおよそ15kmの場所を走る高速道路で、現在は高谷JCTから大泉JCTまでが開通。
これにより、都心から放射状に延びる首都高速の各路線や、東関東道・京葉道路・常磐道・東北道・関越道を環状に結んでいます。
しかし一方で、関越道(大泉JCT)から首都高速湾岸線までにかけては未開通です。
そのうち関越道~東名間は建設に着手されていますが、2020年10月に陥没事故が発生するなど難航しています。
そして東名~湾岸間は、大まかなルートも含め未定です。
国土交通省関東地方整備局は、この東名~湾岸間の計画の具体化に向けた意見交換や検討の場として、国交省・東京都・川崎市で構成する「東京外かく環状道路(東名高速~湾岸道路間)計画検討協議会」を設立。今回はその第6回を開催しました。
公表された「開催結果概要」によると、「コロナ禍の交通情勢を踏まえ、首都圏の渋滞対策や羽田空港、京浜港へのアクセス強化などの観点から、早期整備の必要性が高く、速やかに計画を具体化するべき」との意見が共有されたといいます。
また、地域への影響が小さくなるよう配慮すべきであることや、透明性の高いプロセスの中で検討を進めていくことが確認されました。
議論の焦点の一つに、大師JCTから西進する計画路線「川崎縦貫道路II期」との兼ね合いをどうするか、というものがあります。
川崎市は2010年に、外環道との一本化を含めて幅広く検討を進め、早期に計画を具体化するよう要望を出していますが、いまだ結論は出ていません。
仮に一本化すると終点は川崎側の大師JCTとなり、湾岸線とは川崎浮島JCTで接続。さらに直進すると東京湾アクアラインに入ります。
一本化せずに多摩川北岸を進むコースにすると、終点は東京側の首都高・昭和島JCTとなり、湾岸線とは東海JCTで接続する、という案が示されています。
終点を東京側と川崎側のどちらにするか――。
渋滞緩和や羽田空港アクセス、港湾アクセスなどは、どちらが終点でも効果はほぼ同じか一長一短と見られており、決定打はありません。
ただ、東京側接続だと川崎縦貫道路とは別の路線として建設することになり、さらに昭和島JCT付近の大規模改変が必要といいます。
会議では、引き続き、川崎縦貫道路の計画と一本化する場合について、整備効果や起終点、連結位置、費用負担の考え方などを検討することを確認。
また、社会情勢の変化に対応できるよう周辺地域の交通状況の変化などを考慮しながら、計画の基本的な方針の取りまとめに向けて意見交換や検討を続けていくとも確認したということです。
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