全国で「なんで入るの?事故」多発!? 違反で危険! 遮断器降りた踏切に侵入で列車と衝突… ドライバーは何を注意すべき?
先日愛知県内の踏切において、特急電車と乗用車が衝突する事故が発生しました。このように踏切では電車との接触事故がたびたび発生していますが、クルマは一体どのような点に注意して通行すべきなのでしょうか。
無理な踏切への進入は後を絶たず…鉄道会社から損害賠償請求のおそれも!
2024年12月22日午後11時頃、愛知県稲沢市にある名鉄名古屋本線の踏切で、特急電車と乗用車が衝突する事故が発生しました。
このように踏切では電車との接触事故がたびたび発生していますが、クルマは一体どのような点に注意して通行すべきなのでしょうか。
この事故で乗客・乗員およそ200人にケガはなかったものの、乗用車を運転していた20代の女性が大ケガをして病院に搬送されています。
警察は、遮断機が下りている踏切に乗用車が進入したものとみて、当時の詳しい状況を調べています。
実は、このように踏切内で電車とクルマが衝突する事故は全国各地で発生しています。
2024年9月には愛媛県松山市の伊予鉄道の踏切において、立ち往生していた乗用車と電車が衝突する事故が起きています。
さらに11月には石川県小松市にあるIRいしかわ鉄道の踏切で、下りていた遮断機を押して踏切内に進入した乗用車が列車と衝突し、乗用車を運転していたドライバーが死亡する事故が発生。
もちろん踏切事故の原因は事案ごとに異なりますが、中には「遮断機が下りている踏切にクルマが進入したこと」によって衝突につながった事例も少なくありません。
なお道路交通法第33条第2項では「車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入ってはならない」と規定しています。
そのため、遮断機が下りているときや警報機が鳴っているときなどに踏切内に進入すれば「遮断踏切立入り違反」という交通違反に当たります。
この違反には3か月以下の懲役または5万円以下の罰金(過失の場合10万円以下の罰金)という罰則が設けられているほか、もし交通違反で検挙されると違反点数2点に加え、普通車で1万2000円の反則金が科されます。
踏切を通過する前に遮断機が下り始めたり、警報機が鳴り出したりした場合には、無理に通行せず待つことが大切です。
また踏切の正しい通行方法については、道路交通法第33条第1項で以下のように定められています。
「車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる」(条文を一部抜粋)
この規定のように踏切の手前でしっかり停止し、安全確認をすることで電車との接触事故を防止できます。仮に踏切の手前で停止せずに通過した場合は「踏切不停止等違反」に該当し、違反点数2点、普通車で9000円の反則金を科される可能性があります。
ちなみに自動車教習所においては、踏切を通過する際に「窓を開けて音を聞く」ことを推奨されますが、この行為はドライバーや歩行者が守るべきルール・マナーを明記した告示「交通の方法に関する教則」が元となっています。
法律上の義務ではないものの、電車の接近を目だけでなく音で確認するのは重要といえるでしょう。
さらに踏切を通行する際には、踏切を越えた先の道路状況をよく確認する必要があります。
たとえば、踏切の先が渋滞しているときに踏切に進入すると、そのままクルマが踏切から出られず立ち往生してしまう事態が想定されます。
加えて、道路交通法第50条第2項では以下のように規定しています。
「車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によって区画された部分に入った場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入ってはならない」
つまり前方のクルマの渋滞などによって踏切の中で停止するおそれがあれば、無理に踏切に入ってはいけません。
この規定に違反すると「交差点等進入禁止違反」に該当し、違反点数1点、普通車で反則金6000円が科される場合があります。
そのほかドライバー側の大きな過失によって事故が起きた場合、鉄道会社から多額の賠償金を請求されるケースも考えられます。
過去には大型トラックによる踏切事故で約1億1000万円の損害賠償が生じた事例もあるため、踏切での事故には十分注意すべきといえるでしょう。
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遮断機や警報機の作動中に踏切に入ると交通違反に当たるだけではなく、大きな事故につながるおそれがあります。
踏切の近くでは前車と無理に車間距離を詰めようとせず、周囲の状況をよく確認するよう心がけましょう。
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