なぜ「ジムニー」じゃない? 登山者数「世界一の山」で山岳救助隊に「クロスビー」が採用される理由とは

珍しい山岳救助隊仕様の「クロスビー」見た目の特徴は?

 改めて山岳救助隊仕様のクロスビーを見てみると、まず独特のカラーが目に入ります。

 警察車両というと、白黒や青白というカラーリングが一般的ですが、この車両は明るめの緑。

 これは警視庁に配備される災害対策用車両に使われるカラーで、このクロスビーもそれに属しているのだといいます。

 ルーフ前部とグリルにはお馴染みの赤色灯、そしてルーフ上には大きなシルバーのボックスが載っています。

 そのサイド、後方には周囲からの視認性を高める小型の赤色灯を装着。ちなみにボックスのなかには、重傷の要救助者を運ぶ折り畳み式タンカが収納されています。

 さらにボックスの前部には、夜間の現場を照らすためのサーチライトを装備。ライトは、コントローラーで照射方向を変えられます。

 車内は赤色灯などのスイッチ、消火器以外は目立った装備はありません。

 残念ながらインパネは見られなかったものの、一部にベース車のクリーム色が残っているのもおもしろいところです。

 後部には隊員の個人装備が積載されており、常時出動態勢を整えており、どことなく緊張感が漂っていました。

荷室にはさまざまな装備品が搭載される高尾署山岳救助隊に配備されたスズキ「クロスビー」
荷室にはさまざまな装備品が搭載される高尾署山岳救助隊に配備されたスズキ「クロスビー」

 ちなみに、コンパクトなクルマといえば、同じスズキ「ジムニー」や「ハスラー」でもいい気がするのですが、そこにもクロスビーである理由がありました。

「やはりジムニーなどの軽自動車だと、少しパワーが足りないという理由もあります。

 出動時には最大3名が車両に同乗することがありますし、車両に救助者を乗せて下山する場合もあります。そのため、やはり後部ドアがあったほうがいいですね」

※ ※ ※

 週末ともなれば、多くの人で賑わう世界一の山・高尾山では、年間で70回から80回の出動があるといいます。 

 登山者が楽しく登れるのは、ほかならぬ高尾署山岳救助隊とクロスビーの陰なるサポートがあるからではないでしょうか。

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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3件のコメント

  1. この手のサイトはコマーシャルがめんどくさいほど出るので、みるのも、いやになる。

  2. 相当な悪路じゃない限りジムニーである必要はないと思いますよ。ハスラーかタフトでもイケるかと。
    ただ、3人も乗車して遭難者で4人ともなるとターボ付きは欲しいのでは。帰りは下りだから問題ないにしても上りはキツイでしょう。
    標高の低い山だと十分にいけますが、標高700mくらいになると1人乗りでも軽のN/Aじゃ息切れ凄いですから。
    高尾山の標高データを見ると麓で200mくらい、山間部で300~450mくらいですね。

  3. 現場でこの車種を決めたのなら、多分いうほどオフ性能が必要ない(悪路でない)現場なのでしょう、私の中クロスビーの走破性は気持ちのようなものなので、筆者のいうような車両が必要ならジムニーシエラという車両が現行新車で購入できることを伝えたい。

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