全国で12人だけ!? 高齢ドライバー向け「サポカー限定免許」切り替え進まず そもそもサポカーって一体ナニ?
高齢ドライバーを対象とした「サポカー限定免許」が導入されましたが、導入7か月で切り替えた人はわずか12人だといいます。サポカーとは一体何なのでしょうか。
7か月でたった12人しかサポカー限定免許に切り替えていない!?
2022年5月から始まった「サポカー限定免許」について、警察庁のデータによると同年11月末までの7か月間に切り替えた人は全国で12人であったことを読売新聞オンラインが報じました。
このニュースを見て驚いた人も少なくないでしょう。警察庁の運転免許統計では、2021年の運転免許保有者数は8189万5559人もいるのに、そのうちのたった12人という極めて少ない数字だからです。
また、近年は高齢ドライバーの事故が社会問題となるなか、サポカー限定免許は高齢ドライバーを念頭に置いて導入されたにもかかわらず、たった12人しか切り替えていないことにも驚きを隠せません。
サポカー限定免許への切り替えが進まない主な理由として、ユーザーにとってメリットがはっきりしていないことや、サポカー限定免許が始まったこと自体が知られていないといった課題があることは確かでしょう。
では、そもそも「サポカー」とは何なのでしょうか。クルマ好きの人でもはっきりと答えることは難しいのではないでしょうか。というのも、サポカーはつかみ所がないような印象があるからです。
サポカーについてインターネットで検索すると、経済産業省のサポカー専用ページにたどり着きます。
最初に「サポカーとは?」という表記が出てくるのですが、そこには「政府は高齢運転者の交通事故予防対策の一環として、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術でドライバーの安全運転を支援してくれる車『セーフディ・サポートカー(サポカー)』の普及啓発に官民連携で取り組んでいます」と説明されています。
これを読んでも、また、その後に出てくる各種の説明や動画を見ても、結局「サポカーって何?」という答えがはっきりと分からないように感じます。
各種の説明では、いわゆる自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)や、アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置、車線逸脱警報など、「先進運転支援システム(アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システムズ:ADAS)の技術について紹介するにとどまっており、サポカーはこうしたADAS機能が備わっているとも説明しています。
また、各メーカーのサポカーの一覧表も公開されているのですが、軽自動車から高級車までほとんどのクルマにADAS機能が標準装備されているため、実質的には「新車のほとんどがサポカー」ということになり、いい換えれば、新車購入を勧めることになっているといえます。
新車購入に対して経済的な負担を感じる人にはサブスクリプションモデルを提案したり、また、アクセルとブレーキの踏み間違い防止装置などの後付けキット装着車も“サポカーの仲間”という考え方を盛り込んでいます。
ただし、「ADAS機能を持つクルマをサポカーと呼ぶ」とはいい切っていない印象があります。なぜなら、サポカーは特定のクルマや技術に対する「定義」ではなく、ある種の「概念」だからです。
不必要な機能を全ての新型車に強制することで車に使用する電子部品が増え、コロナ禍とロシアの侵略で半導体や車の配線関連の供給が追いつかず、しかもサポカーを必要としない人にまで不要な機能をてんこ盛り。
結果としてこの物価高の中で購入費が高くなるという政府の無策。免許区分で対応できないからメーカーに機能搭載を強制することでお茶を濁したって印象。
SUZUKIはまだエブリィがギリギリマイナーチェンジのみで、PA/PAリミテッドまではカメラもセンサーも未搭載のものが選べる。残念ながらオートライトは搭載されているような話で、道の駅やキャンプ場で車を動かした途端にライトオンしてしまう模様。
一部の運転適正の無い人や、夜間に自分の車が無灯火であることに気付かないような人の為に、本来は不要であるの人にまで、選択の自由が奪われている状況。