全国で12人だけ!? 高齢ドライバー向け「サポカー限定免許」切り替え進まず そもそもサポカーって一体ナニ?
サポカーはなぜ生まれた?
サポカーという概念が生まれた背景には、とくに2010年に入って高齢ドライバーによる逆走や、アクセルとブレーキの踏み間違いによって建物へ突入するなどの重大な事故などが全国各地で多発するようになり、免許の自主返納の必要性などが大きな社会問題になったことが挙げられます。
筆者(桃田健史)の知る限り、官邸主導によって関係各省庁に対して早急な対応策が講じられることになり、そこで考案されたのが、法改正などの手続きを伴わずにできる、先進運転支援システム(ADAS)装着車の普及促進のための「サポカーという概念」だったといえるでしょう。
一方で、法的な解釈のひとつとして協議されたのは、高齢ドライバーに対する運転免許の限定要件です。
運転免許証には、「免許の条件等」という記載欄があり、AT車(オートマチックトランスミッション)や、中型または中型車(8t)といった車両に対する限定、また眼鏡等の身体に関する内容などがあり、ここに、高齢ドライバーに係る「限定の条件等」を盛り込むことが議論されたのです。
高齢ドライバーに対して、免許を更新するか自主返納するかという二者択一ではなく、その中間で免許を維持し続けることをできるようにすることを目指したというわけです。
海外で社会実装されている事例としては、日中のみ運転可能な「使用時間の限定」、自宅からの「距離の限定」、病院やスーパーなど「移動目的の限定」、また家族や知り合いなどが「乗り合わせることに限定」といったさまざまな限定の要件があります。
しかし、日本での最初の協議は最終的には「サポカー限定」に落ち着いてしまいました。
繰り返しますが、サポカーは概念であるため、サポカー限定という考え方に対して、ユーザーは少し分かりにくいと感じているのではないでしょうか。
国は、今回明らかになった「サポカー限定免許の切り替えがたったの12人」という事実を真摯に受け止め、今後については、警察庁や各都道府県の警察がサポカー限定免許の普及促進活動をさらに強化する必要があるのはもちろんのこと、高齢ドライバーに対応した「限定免許」のあり方そのものを、国が再協議する必要もあるように思えます。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
不必要な機能を全ての新型車に強制することで車に使用する電子部品が増え、コロナ禍とロシアの侵略で半導体や車の配線関連の供給が追いつかず、しかもサポカーを必要としない人にまで不要な機能をてんこ盛り。
結果としてこの物価高の中で購入費が高くなるという政府の無策。免許区分で対応できないからメーカーに機能搭載を強制することでお茶を濁したって印象。
SUZUKIはまだエブリィがギリギリマイナーチェンジのみで、PA/PAリミテッドまではカメラもセンサーも未搭載のものが選べる。残念ながらオートライトは搭載されているような話で、道の駅やキャンプ場で車を動かした途端にライトオンしてしまう模様。
一部の運転適正の無い人や、夜間に自分の車が無灯火であることに気付かないような人の為に、本来は不要であるの人にまで、選択の自由が奪われている状況。