トヨタ新型「シエンタ」”納期待ち”に改善の兆し!? 装備差による生産遅れも是正? 生産体制の現状とは
販売好調なトヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」ですが、Web上のカタログには一部オプションを選択した場合、生産が遅れるという記述があります。どういうことなのでしょうか。
オプション次第で納期に違いあり?
2022年8月23日に発売されたトヨタの新型コンパクトミニバン「シエンタ」は、デビュー以来好調な売れ行きを維持しています。
しかし2023年1月23日現在、トヨタの公式Webカタログ上では、一部オプションを選択すると生産時期が遅延することが明記されています。納車に時間がかかる仕様にはどのようなものがあるのでしょう。また、現状の納期はどうなっているのでしょうか。
シエンタは、全長や全高を抑えたコンパクトなボディに、使い勝手の良い3列シートと両側スライドドアを装備するコンパクトミニバンです。
7年ぶりのフルモデルチェンジを果たして3代目となった新型シエンタは、先代までの使い勝手の良さはキープしつつも、TNGAプラットフォームを採用し、最新のハイブリッドシステムや安全運転支援システムのトヨタセーフティセンスを装備するなど、安全性や走行性能、低燃費性能が向上しています。
また、TVCMではかわいらしい小型犬が出演。SNSなどでは「カワイイ!」と話題を呼ぶなど、注目度の高い車種となっています。
日本自動車販売協会連合会(自販連)が2023年1月11日に発表した新車販売台数によると、シエンタは12月度に9348台を販売し、軽自動車を除く順位では3位にランクイン。11月では4位(1万167台)、10月では2位(1万739台)と、デビュー以来好調な売れ行きです。
そんな新型シエンタですが、Webカタログを見ると一部の装備に対して「(赤枠)で記載のメーカーオプション装着した場合、2023年4月以降の生産予定となります」との注意書きがなされています。
赤枠で囲われた装備は、主に中級グレードの「G」に用意されるオプションで、外装ではブラック塗装の15インチアルミホイール、内装では、ターンチルトシート(「X」グレード・ガソリン車の「Z」グレードも該当)や消臭・撥油機能付シート表皮があります。
機能装備では、前後方ドライブレコーダー(Xも該当)、足元のセンサーでスライドドア操作ができるハンズフリーデュアルパワースライドドア、また天井サーキュレーターやナノイーXなどの空調関係、ETC2.0ユニット(Xも該当)、ディスプレイオーディオプラスも、納車が遅れるオプションとして明記されています。
さらに、ハイブリッド車のうち上級グレード「Z」とGの両方では、1500Wコンセントを選択「しない」場合は2023年4月以降の生産予定だとしています。
このように、カタログに生産が遅れるオプションを明記しているのは異例ともいえますが、なぜなのでしょうか。
トヨタの販売店スタッフは「ここ数年続いている半導体などの部品供給遅れへの対策で、生産する仕様を限ることで効率が上がり、お客さまへと早く納車できるようにしています」と話します。
受注時に仕様を絞ることで、仕様のバラつきをなくし効率が上がれば納期も早くできるという画策のようです。
しかし、オプションに限りがあるため、ユーザー目線では好きな仕様を選べなくなってしまうことが考えられます。
今後、いつまでこのような状況が続くのでしょうか。現在の生産体制について先出のトヨタ販売店スタッフは以下のように説明します。
「2023年に入り生産体制は改善しています。特に新型シエンタでは以前よりも早くお届けすることが可能で、これは3月の決算期に向けて増産しているためです。
依然、カタログに記載のオプションを選択するとやや納車は遅くなってしまいますが、今(1月23日現在)では、どのグレードを選択しても具体的な納期について詳しくお話できるようになりました。もっとも納期がかかる仕様でも、今年の10月には納車できそうです」
販売店スタッフの話では、Webカタログの情報は少し古い情報だということで、オプションの差による納車予定時期のバラつきは徐々に解消されているようです。
その背景には年度の売上成果に関わる「決算期」の存在があるようで、販売店やメーカーは続く半導体不足による低迷を改善するために力を入れている模様です。
※ ※ ※
このようにオプションの違いによる新型シエンタの納期の差異は、日々改善が図られているようです。
今後シエンタの購入を考えているのであれば、一度販売店に問い合わせ最新の情報を聞いたうえで、早めに注文するのがいいかもしれません。
自分はシエンタのハイブリッドZの納車待ちの一人。
注文時にアドバンスドパーキングとビルドインのETC2.0を付けると納期が2024年になるとディーラーから説明された。
Zグレードでも納期優先になると、シフトマチックではなくGグレードと同じストレート式のシフトレバーになることも案内された。
同じ構成でも納期はディーラーによって異なる点にも留意が必要。