跳ね上げ式ドア装着のトヨタ「86」爆誕!? 注目度MAXな大胆カスタムがスゴすぎる!

ドア開閉時の配線の取り回しが非常に難しい…

 ヒンジの厚みについては、フェンダー内の一部を形状に合わせてカットし、折り返した部分をハンマーの打刻による手作業での整形作業として、高度な板金処理の技術が必要となります。

 難しいのは、ヒンジの収納スペースがフェンダー内にほとんどないこと。T整備士が確認したところ、シザードア用ヒンジとフェンダー内側の隙間は1mmもないくらいギリギリなのだとか。

跳ね上げ式のシザードアを装着したトヨタ「86」
跳ね上げ式のシザードアを装着したトヨタ「86」

 クリアランスを確保するためには、設置するフレームを加工するかヒンジ自体の厚みを減らすしかないため、単純にヒンジ交換だけでなくボディ本体への加工が必要になってしまいます。また構造上のボディ強度の問題なども出てくるため、現状ではギリギリのまま配置することになりました。

 シザードア化でもっとも懸念される、ドアの開口が広がったことで延長加工したドアの配線の格納については、伸ばした配線がドアの開閉時に挟まってしまう可能性や、配線を包むゴム皮膜などもすぐに擦り切れて金属部分と接触し、ショートしてしまう危険性があります。またドア内部に配線が収納されず開閉で挟んで断線しまう可能性もあります。

 こればかりは上手い解決法がすぐには見つからなかったため、配線が接触する部分にパッドを圧着して可能な限り接触部分の擦れを弱める対策を施すことに。この配線の擦れ対策は定期的にチェックすることで、ひとまず装着作業を進めることになりました。

 何度か開閉動作のチェックを繰り返し、配線を挟まないように気を付ける必要はあるものの、見事にカスタムテイスト溢れる86に仕上がりました。

 ちなみにガルウィングキット自体は15万円から20万円程度で購入可能。取り付け工賃は10万円からになりそうとのこと。また工期は、テストや手直しなどを含めて1週間程度かかっています。

※ ※ ※

 T整備士の言葉を借りると「カスタムマイズは純正で取れていたバランスを崩してしまうもの」という意見もあり、保険適応外になるなど自己責任も増えます。その代わり、自分好みに仕上げたときの喜びは大きいでしょう。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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